表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
なりきり転生~衣装チェンジで異世界を歩く~  作者: ゆっき/Yuyu*
第1話 異世界にきたボクは女の子!?
2/38

01 ここどこ!? この体なに!?

 暗闇の中にいる。

 だけど、こうして考えられるってことは生きているってことだろうか。

 それとも、死後の世界というのが存在して、そこに向かっている途中なのかもしれない。

 ボクはそんな事を思いながら、必死に光を探す。自分の体を動かせているかも定かではないこの感覚は、名状しがたい気持ち悪さだ。

 だが、そんな中でももがき続けて、一つの光を見つける。

 そしてボクは――


「ん、うぅ……あれ? ここは?」

 どうやら、ボクは生きていたらしい。奇跡でも起きたのかな。

 だけど、まだぼやけてる目でもわかる。

 ここ、病院じゃないよね? どこだろう。


 ひとまず視界が鮮明になったところで立ち上がろうとした時、カシャという金属と金属が軽くこすれるような音がする。

「今の音? ……あれ、声が高いような」

 もともと、電話越しだと女の子と間違えられる声だったけど、それにしても高すぎるような。

 傷があるはずの後頭部を確認してみるが、痛みも包帯とかもないし、手術されたりして髪がなくなっているようなこともない。いや、詳しい治療方法とかはしらないんだけど。

 というより、髪はもとよりも長くなってる気がする。

 そう思って、少しもみあげを触って、視界に入るようにしてみる。

「……え? あ、あれ?」

 ボクはその髪を見て思わずそんな風につぶやく。

 だって、黒かったはずの髪が青髪になってるんだもん。


 ボクはとにかく、体を確認してみる。

 まずは後ろ髪が首にかかるくらいに、セミロングになってる。服装も何かおかしいというか、何かの下にきるインナーみたいな服で、胸が――

「へっ!? 胸が――!!」

 大きくはないが、男としてはおかしい程度に胸があった。インナーのせいでそのラインもわかりやすい。

「まって、まって!」


 甲高い声で、混乱しながら確認するが、元の体と違う部分が数多くあった。

 身長や腰まわりのスタイルなどは一緒だったけど。

 そして最期に、男と女の決定的違いを確認する。

「……な、ない――どうなってるのー!!」

 ボクの声は反響するものもないはずなのに、木霊した気がした。


 数分かけて、落ち着き改めて状況を把握しよう。

 まず周りには森が広がってる。それなのに、この周辺だけ燃えたように廃れてしまっている。

 そしてこれは仮定。あくまで仮定……いや、認めるしかないか。

 ボクは女になってしまっているということ。あの後、自分が倒れていた下に鎧の成れの果てのような金属片も見つかった。折れた剣も一緒に。


 それらの情報から考えると――

「本当にここどこぉ」

 ボクは泣きたくなっていた。

 とにかく、この場で動かないでも仕方ない。誰か人を探さないといけないよね。

 ひとまずボクは森のなかへと入る。

 そんなに詳しいわけではないけど、木もどことなく見たことのない雰囲気の木が多い。それに足元に生えてる植物も同じだ。

 そして森の印象があったけど、実際には林程度の規模だったらしく、すぐに抜け出ることができた。


「崖というほどじゃないけど、油断して落ちたら危ないなー……あ、町がある! でも、あれって……どういうこと?」

 念願の人がいそうな町を発見することができた。

 だけど、その見た目がおかしい。

 いや、おかしくはないんだけど、ここまでの事を考えると何か違和感を感じる。

 だって、その町は――どう見ても、日本の和を主流としたような雰囲気の町に見えたから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ