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転生したけど攻略本のおかげでチート無双  作者: ワギャ
第一章 攻略本とレベリング
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スキルストック

隠しダンジョンの奥へ進むにつれて、空気が少しずつ重くなっていくのが分かった。


 壁は湿っていて、足音が静かに反響する。


 普通のダンジョンよりも明らかに雰囲気が違う。


 だが――


 俺にはもう関係ない。


 頭の中には、探索スキルで捉えた反応がはっきりと浮かんでいた。


「……三体か」


 少し先の部屋。


 モンスターの反応が三つ。


 しかも、そのうちの一つはさっきまで戦っていたゴブリンやオークとは違う、少し強い反応だった。


「ちょうどいいな」


 俺は黒い剣――ソウルイターを握り直した。


 この武器の能力。


 斬った相手のスキルを三つまでストックできる。


 つまり。


 スキル持ちモンスターを倒せば、その能力を手に入れることができるということだ。


「試すにはちょうどいい」


 俺は静かに部屋へ足を踏み入れた。



 部屋の中には三体のモンスターがいた。


 オークが二体。


 そして――


 中央に立っている大きな影。


「……トロルか」


 身長はオーガより少し低いが、体はさらに分厚い。


 緑色の皮膚。


 そして特徴的なのは――


 体の傷がゆっくりと塞がっていくこと。


「なるほど」


 俺は小さく笑った。


「再生持ちか」


 攻略本の知識が頭に浮かぶ。


 トロル系モンスターの多くは、再生スキルを持っている。


 つまり。


 こいつを倒せば――


「スキルいただきだな」


 俺は床を蹴った。


 まずはオーク。


 斬撃。


 ソウルイターの刃が横に走る。


 ザシュッ!!


 オークの腹が大きく裂けた。


 短剣より明らかに切れ味がいい。


 オークが倒れる。


 もう一体が叫びながら突進してくる。


 俺は体を半歩ずらしながら、剣を振り上げる。


 そして――


 斬撃。


 首元を一閃。


 オークの体がそのまま崩れ落ちた。


「よし」


 残るは一体。


 トロル。



「グオオオオオ!!」


 トロルが腕を振り上げる。


 巨大な拳。


 振り下ろし。


 俺は横へ跳ぶ。


 ドンッ!!


 地面が大きく凹んだ。


「やっぱパワーもあるな」


 俺はソウルイターを構え直す。


 トロルの再生能力は厄介だ。


 中途半端に傷をつけてもすぐに回復する。


 だが――


 倒せないわけじゃない。


 俺はトロルの周囲を回りながら、タイミングを測る。


 拳が振られる。


 避ける。


 もう一度振られる。


 その瞬間。


 俺は懐へ潜り込んだ。


「斬撃!」


 ソウルイターを全力で振り抜く。


 ザシュッ!!


 胸が大きく裂けた。


 だが。


 その傷がゆっくりと塞がり始める。


「やっぱ再生するか」


 トロルが怒りの咆哮を上げる。


 だが、その動きは単調だ。


 俺は距離を取りながら、もう一度タイミングを待つ。


 そして。


 拳が振り下ろされた瞬間。


 横へ回り込む。


 そのまま背中へ――


 ソウルイターを突き刺した。


 ザシュッ!!


 刃が深く入る。


 トロルが大きく震える。


 俺はそのまま剣を引き抜き、首元へ最後の一撃を叩き込んだ。


 血が噴き出す。


 トロルの体がゆっくりと崩れ落ちた。



 その瞬間。


 ソウルイターが紫色に光り始めた。


「……お?」


 剣の中に、何かが吸い込まれていく感覚がある。


 そして頭の中に声が響いた。


【ソウルイターが魂を吸収しました】


【スキルをストック】


【再生(小)】


「来た……!」


 俺は思わず笑った。


 やっぱりだ。


 トロルのスキル。


 再生。


 ゆっくりだが、HPが自動で回復する能力。


「これは強い」


 ポーションの消費も減る。


 長期戦にも強くなる。


 完全に当たりスキルだ。


 俺はソウルイターを見つめる。


【ストックスキル】


再生(小)


残りスロット:2


「あと二つか」


 さらに強いモンスターを倒せば、もっと強いスキルも手に入る可能性がある。


 その時だった。


 探索スキルが強く反応した。


「……?」


 さっきまでなかった反応。


 それも――


 かなり大きい。


 ダンジョンのさらに奥。


 今までよりも圧倒的に強い反応が、一つだけ浮かび上がった。


「……ボスか?」


 隠しダンジョンの最深部。


 間違いなく、ここまでで一番強いモンスター。


 だが。


 俺は少しも怖くなかった。


 むしろ――


 笑っていた。


「ソウルイター」


「次のスキル、期待してるぞ」


 そう呟きながら、俺はダンジョンのさらに奥へ歩き出した。

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