決闘
学園の訓練場。
石で囲まれた広い場所。
すでに人が集まっていた。
「マジで決闘するのか」
「相手は護衛騎士だぞ」
「学生が勝てるわけない」
ざわざわと騒がしい。
中央。
アルトが剣を抜く。
銀の剣が光る。
「私は本気では戦いません」
「ですが」
「美奈子様に近づく以上」
「実力は見せてもらいます」
俺は短剣を抜く。
カチャ。
観客が笑う。
「短剣?」
「勝つ気あるのか」
「終わったな」
美奈子が心配そうに言う。
「コウ…大丈夫?」
「まあ」
「なんとかなる」
⸻
審判の教師が手を上げた。
「始め!」
その瞬間。
アルトが動いた。
速い。
騎士の剣が振り下ろされる。
ガン!!
地面が砕ける。
観客。
「速っ!」
「さすが騎士」
俺はギリギリで避けた。
風が頬をかすめる。
(重い)
(まともに食らったら終わり)
アルトが言う。
「避けますか」
次の一撃。
横薙ぎ。
俺は後ろに跳ぶ。
また避ける。
観客がざわつく。
「避けてる」
「意外とやる」
アルトが少し笑う。
「ですが」
「いつまで避けられますか?」
剣を振り上げる。
大振り。
俺は心の中で思う。
(やっぱり)
(攻略本通りだ)
アルトの剣。
強い。
だが。
振りが大きい。
そして。
鎧の構造。
右側。
肩の可動部分。
防御が薄い。
(そこだ)
アルトが突っ込んでくる。
俺はわざと前に出た。
観客。
「え?」
「突っ込んだ!?」
アルトの剣が振り下ろされる。
その瞬間。
俺は体をひねる。
ギリギリでかわす。
そして。
短剣を振る。
キン!!
鎧の隙間。
右肩。
アルトの体が止まる。
「……!」
短剣の先が。
アルトの首元に止まっていた。
静寂。
観客。
「……」
「……」
「……は?」
教師が言う。
「そこまで」
アルトがゆっくり息を吐く。
剣を下ろす。
「……参りました」
観客。
「えええええ!?」
「勝った!?」
「騎士に!?」
美奈子が走ってくる。
「コウ!!」
満面の笑顔。
「すごい!!」
俺は短剣をしまう。
「まあ」
「弱点あったし」
アルトがじっと俺を見る。
「……なぜ」
「私の弱点を知っている?」
俺は適当に答えた。
「勘」
アルトは少し笑った。
「面白い方ですね」
そして。
深く頭を下げる。
「美奈子様の友人として」
「認めましょう」
周囲の学生。
完全に混乱。
「騎士が認めた」
「終わった」
「この男何者だ」
美奈子は少し照れて言う。
「友人じゃない」
アルト。
「?」
美奈子。
「もっと仲良いから」
周囲の男子。
「死んだ……」




