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転生したけど攻略本のおかげでチート無双  作者: ワギャ
第一章 攻略本とレベリング
11/28

デート

学園の中庭。


 その奥にある小さなカフェ。


 学生達がよく使う場所だ。


 だが今日は様子が違う。


 店の窓の外。


 遠くの席。


 植木の影。


 やたら人がいる。


「マジで来たぞ」


「デートだ」


「嘘だろ」


「男嫌いの美奈子様が」


 みんなこそこそ見ている。


 その中心。


 テラス席。


 俺と美奈子。



「ここお気に入りなんだ」


 美奈子が少し嬉しそうに言う。


 俺はメニューを見る。


 ケーキ。


 紅茶。


 軽食。


「何食べる?」


 俺が聞くと。


「え、いいよ」


 美奈子が少し慌てる。


「私が誘ったんだし」


「私払うから」


 俺は首を振る。


「いや」


「今日は俺」


 美奈子が止まる。


「え?」


「いやでも」


「私貴族だし……」


 俺は普通に言った。


「関係ないだろ」


「誘われた側だし」


「今日は俺が出す」


 遠くの学生達。


「え」


「今の聞いた?」


「奢るって言った」


「相手美奈子様だぞ」


「普通逆だろ」



 注文した。


 紅茶。


 ケーキ。


 軽食。


 店員が去る。


 少し沈黙。


「……」


「……」


 美奈子が少し顔を赤くしている。


「どうした?」


 俺が聞く。


「いや、その……」


 視線を逸らす。


「男の人に奢られるの初めて」


「え」


 俺は驚いた。


「そうなのか」


「うん」


「だってみんな」


 美奈子が苦笑する。


「私にいいところ見せようとして」


「無理するんだもん」


「だから嫌だった」


 俺は普通に答える。


「まあ」


「金あるし」


 美奈子がまた止まる。


「……」


「……」


 少し笑った。


「変な人」



 料理が来た。


 紅茶の香り。


 ケーキ。


 美奈子が一口食べる。


「美味しい」


 俺も食べる。


「うん」


 普通にうまい。



 会計。


 店員が言う。


「銀貨三枚になります」


 俺は袋から金貨を出す。


 コトン。


 店員の目が丸くなる。


「き、金貨!?」


 遠くの学生達。


「は?」


「金貨?」


「学生だぞ?」


 俺は言う。


「釣りでいい」


 店員が慌てて頭を下げる。


「ありがとうございます!」



 席に戻る。


 美奈子がじっと見てくる。


「……」


「どうした」


「コウって」


「結構お金持ち?」


 俺は答える。


「昨日たまたま稼いだ」


「ダンジョンで」


 美奈子が驚く。


「そんな簡単に!?」


 俺は肩をすくめた。


「まあ運」


 少し沈黙。


 そして。


 美奈子が小さく笑う。


「コウって」


「やっぱり変」


「そうか?」


「うん」


 そして。


 少し照れながら言う。


「……でも」


「嫌いじゃない」

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