再会
金貨の袋が重い。
腰にぶら下げた袋。
ジャラッ。
歩くたび音がする。
「一千万か……」
昨日まで。
ポーション三本しか買えなかった俺が。
今は。
ポーションなんて箱で買える。
「まあ使い道は後で考えるか」
俺は学園の門をくぐった。
⸻
その瞬間。
ざわざわざわ。
「いた!!」
「え!?」
「美奈子様が探してる男!」
「まじ!?あいつ!?」
周りの視線が一気に集まる。
「なんだ?」
俺は首をかしげる。
その時。
「コウ!」
声が響いた。
振り向く。
そこにいたのは。
美奈子だった。
長い黒髪。
整った顔。
学園の制服。
そして。
周囲の生徒が一歩下がる。
学園のマドンナ。
貴族。
男嫌いで有名。
その美奈子が。
まっすぐ俺に走ってくる。
「見つけた……!」
目が少し潤んでいた。
「昨日!」
「どこ行ったの!?」
俺は普通に答える。
「帰った」
周囲が静まり返る。
「……」
「……」
「……」
美奈子がコウの腕を掴んだ。
「探したんだから!」
ざわぁ!!
「腕掴んだ!!」
「うそだろ!?」
「男触ってる!!」
「男嫌いの美奈子様が!?」
学園が騒ぎになる。
美奈子は気づいてない。
「ちゃんとお礼言ってないでしょ」
「助けてくれてありがとう」
そう言って。
少し照れながら笑った。
周囲の男子。
全員固まった。
「笑った……」
「男に……」
「終わった……」
一人の貴族男子が震える。
「俺三年告白してるのに……」
俺は状況がわからない。
「何か騒がしいな」
美奈子は言う。
「気にしなくていい」
そして。
「今時間ある?」
周囲。
完全沈黙。
「お茶でもどう?」
学園。
完全崩壊。
「デート誘った!!」
「死んだ!!」
「俺もう無理!!」
俺は少し考えた。
「……まあいい」
そう言った瞬間。
男子達が膝をついた。
「世界終わった……」




