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ダレガタメニ  作者: 猫宮いたな
学園戦争

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9/50

奮闘


呼吸がしにくい。


段々と脇腹がズキズキと痛み始める。酸欠だ。

身体は限界が近いということだろう。

それでも俺は走らないといけない。


一度止まったら俺は死ぬ。

最悪の追跡者が俺を狙っているのだから。



約15分前


「颯太くんが胸を押えてすごく苦しそうにしてるの!」


伊織からの電話は、進藤はアセビ感染に感染しているかもしれないという最悪の報せだった。

さらに図書館の下の階から


「出てこい!いるのはわかっているんだ!」

とてつもない怒号が響いた。

この声は誰のものか確信はないが、恐らくは銃男なのだろう。


今やつに俺の居場所がバレたら俺は生きて帰れるだろうか…


俺は何も言わずに電話を切り、息を殺し部屋の隅へ移動した。


今、進藤が倒れて色々不安だよな、

俺もその気持ち何となく分かるよ。

でも、少しだけ待っててくれよ。


ダンダンと音を立て近づく足音。時々、バン!と音が聞こえてくる。おそらく扉や本棚を倒して

奴は一体誰を探しているのだろう。


さっき言っていた「いるのはわかっている」と言う言葉。

あれはハッタリの可能性もあるが、

ここに誰かいるかもしれない。と確証があるように聞こえた。


俺もそう感じただけで確証はないが、どのみち

俺は今奴の言葉で身動きが制限された。

これは銃男が考えてる状況に近づいているという

最悪な状況だ。


どうしよう、と悩む暇も無く、数十秒もするとその音の元凶は俺のいる倉庫の扉を蹴破った。


どんどん近づく荒々しい音と比例するかのように大きくなる心臓の音。

この音が、周囲に響いてると思わせるほど大きくドンドンと打ち付けている。


今、俺と奴の距離は数m程しかない。

もし、そこにいる奴が、銃男ならひとつのミスで俺は死ぬだろう。


直面した死に俺は冷静さを取り戻していく。

普通なら焦ったりするだろうが。

今の俺は、みんなを守らないといけないから。

そう思うと不思議と心が落ち着いていく。


ふと、図書室に入ってきた人間の姿が見えた。


その瞬間俺の沸騰したように熱を帯びた。

その顔は数時間前に伊織のお兄さんを撃った男

だったからだ。

相変わらず男の手には猟銃が握られていた。


あいつのせいで俺は死ぬかもしれない。

俺の頭は恐怖から怒りへと変わって満ちていく。


冷静さなんて俺には元からなかったのかもしれない。


ただ、生存本能からか段々と自然に怒りは静まっていく。

数秒の時間を置き、男が部屋の奥に近づいた瞬間おれは足音を最大限消し倉庫を出ようとした。


しかし、それと同時にまた図書館のどこかからゴトっと物音が響いた。なんの音なんかわかるはずがない。そもそもそんなことに気を回してる余裕は無い。


なぜならその音に反応して振り向いた男と目が合ってしまったのだから。


周囲から音は消えた。


見つけた(・・・・)


男の一声から一瞬の間を置き男が発砲する。

男の目は光の無い深淵の様だった。

そして、酷く無情な男だと、その瞬間に感じることとなった。


俺は火事場の馬鹿力で全力で横っ飛び。

それは肩を少し深く抉ってしまうも痛みは感じない。

だが、問題は別にある。命に関わる大問題だ。

なんと言っても、今現在、この学園で最強の銃男にバレてしまったんだから。


銃男は俺の元に歩いてくる。


あとから襲ってくる「死」

そして、「死」から逃れる為の最大限の恐怖と

言う精神的な足掻き。


俺の思考はまた熱を含んだ。


「逃げたら苦しむだけだぞ」


頭の中にいくつもの思考が巡る。

でも、俺が逃げれる為にはこれしかない!


本当はこの後やろうと思っていたのに!


「残念だけど!まだ死ねないから苦しんででも生きるんだよ!!」


俺はさっき集めた古本を入れた袋を両手に抱え、呼吸を整える。


銃男がもう一度俺に猟銃を向ける。その瞬間俺けは大量の古本をやつに向かって投げつけた。

宙を舞う本は無造作に開きそれは互いの視線を消す。

ただここは壁と本棚に囲まれ一本道のようになっている。


だか!俺の目的はその銃を一瞬でも無効化すること!


向こうは「俺に照準を合わせる」という一瞬の動作と思考が必要。

なら、その一瞬の動作に追加で一瞬の隙を増やしたら。

勝率は0から1へ。


0.1秒が0.2秒に


向こうの銃という最強のアドバンテージを逆に

利用して俺の勝利を掴む。


俺は命を投げ捨てる覚悟でやつに向かって走り出す。


うぉおおおおお゛お゛お゛!!!


俺はさっき音楽室で拾ってきた和太鼓のバチを

思いっきり銃男の鳩尾を狙って突き刺す!!


いくら大人と言っても、

いくらガタイが良くても!

この一撃は入る!


男は「うぅ、」という唸り声とともに腹を抑え

その場に倒れ込む、

だが銃は離さず俯きながら銃をこちらに向ける。


しかし視線が上がってないためその弾が当たることは無かった。


俺はやつが怯んでいる間に全力で逃げ出した。

今はまだやつを完全に無力化することは無理だからだ。

それに無理に戦って死ぬなんてあってはならない。


俺にとってはとにかく逃げることが先決なのだ。

俺が図書館を出ようとした時

「ぶち殺すぞぉ!」とまた怒号が聞こえたがまだ追いつける距離では無い。

俺は無我夢中で駆けだした。

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