表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダレガタメニ  作者: 猫宮いたな
港倉庫戦争
48/50

回生


「お前が、ここに呼ばれた理由。分かるな?」


 島に平穏が訪れ、島民に笑顔がとり戻った。

 アセビが根絶された。

 アセビの治療薬を、天月玲央が量産させたのだ。


「えぇ、分かってます」


 一か月前の学園と港倉庫の騒動は、多くの血を流し、島民に不安を与えてしまった。

 その上、俺自身は何の役にも立たなかった。

 むしろ、足を引っ張ってしまった。


 島民を安心させること、警察のメンツを保つため。

 俺は偽物の犯人を作り出そうとした。坂崎奏斗。彼らには本当に申し訳ないことをした。


「では、手短に……本部正幸。お前を降格処分とする」


「降格だけなんですか⁉ 左遷とかは……」


「なんだ、左遷されたかったのか?」


「いえ……」


「お前はこの島の人間に信頼されている。だから、この島の人たちの信頼に、死ぬ気で応えろ。良いな」


「……はい!」


 あの後。死んだはずの赤羽紫苑は生きていた。

 けれど、彼はこの島から逃げてしまい。きっとこれから本土の警察が彼を追うだろう。

 島に放たれた、犯罪者たちは天月玲央の霧雲組が一掃。

 全員、本土の刑務所に強制送還だ。


 一連の騒動の犯人として、長谷川リナが逮捕され、彼女もいっしょに連れていかれた。


 警察に出来たのは、後処理だけ。

 警察としてのメンツは丸つぶれ。今は学園と港倉庫の修理作業をして、何とか信頼の回復を図っている。


「はぁ、これから頑張らないとな!」


 学園の荒れ具合は相当ひどい。夏休みが終わるまでには、何とか修復させないとな!


***


「オヤジ、加藤の件どうなりましたか」


「お、来たね向井。あと、事務所の中ではオヤジって呼ばなくていいよ。オレまだそんな歳じゃないし、年上にそう言われるとなんかね……」


 俺は、天月との殴り合いの後。加藤の身柄を警察から譲ってもらった。本来なら、不可能な話だが、天月さんの権力をフルに使って何とかなった。


 俺の家族を襲った犯人は、島に来た犯罪者、そのボス二人によるものだった。

 加藤に拷問の末、吐かせた。……天月さんが。


 そしていま、俺は加藤とボス二人と対面していた。


「天月さん、これは?」


「君の家族を傷つけた三人」


 俺の目の前に立つ、三人は言い表せないほど惨い姿になっていた。


「まだ生きてるよ、でもこいつらには死んでもらう。俺のシマで好き勝手やって、向井の家族に手を出したんだ。当然だよね」


 天月は普段は優しい。だから忘れてしまうが、こいつはヤクザだった。 

 でも、どんなときでも人のことを思える優しい人だ。


 だって、俺の気持ちを汲んで、こいつらを生かしておいてくれたのだから……



「向井。お前の目的はもう果たせた。これからどうするんだ?」


 三人を殺し、燃やした後。天月は聞いてきた。

 殴り合いが終わってから、俺は天月さんの元で養ってもらっていた。

 家が壊されていたから……。

 

「俺は……」


 天月さんには、この一ヵ月本当に良くしてもらった。


「天月さんの、霧雲組の一員になりたいです」


「分かった。俺達は来るもの拒まず去る者追わずだ。好きにしな」


「天月さん! 来たよ!」


「おぉ! 葵、元気だったか?」


 天月さんの人望はすごい。

 葵たちとも仲良かったらしい。


「事件の事、話せずに悪かったな。俺が話してれば港倉庫に行く必要なかったんだろ?」


「しかたないよ。紫苑さんのこともあったんだし」


「そういってくれるとありがたいよ」


「向井さん!」


「ん? どうした、葵」


「奏斗さんから伝言! 「もう、人に向かって銃撃つなよ」だって」


「もちろんだろ」


 奏斗、もう島を去ったのか。

 まぁ、仕事も終わったんだし当然か。


「次会う時は、酒飲み合いたいな……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ