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ダレガタメニ  作者: 猫宮いたな
港倉庫戦争
43/50

戦争


「お前ら、ここで何やってる!」


 昼の港にいた刑事さん。

 正義感が強くて、責任感のある仕事熱心の男。

 こいつが上司だと、毎日残業させられそうな、最悪な男。


 奴の形相は、鬼のような威圧感を持っている。


「刑事さん、俺達はなにも……」


 鬼の睨む目は、身をすくませる。


「お前……ここで何があった」


「死んだはずの紫苑さんがここにいた」


 俺は語りだした。腹の傷が痛む。けれど、奏斗じゃだめだ。

 俺じゃないと、ダメなんだ……。


「紫苑が言うには、そこにいる長谷川がこの一連の真犯人だった」


 長谷川が犯人。昼のこともあり、可能性はある。

 否定はできないだろう。


「じゃあ、何故その長谷川がそこで倒れている」


「おそらく、紫苑です……。俺は長谷川に後ろから刺されて、しばらく気を失っていました……」


「目を覚ましたら、こんなことに」


「そっちのお前は、見てたのか?」


「いや? 俺が来たときにはもう二人は倒れてて、紫苑が一人で立ってた。紫苑がどこに行ったのか、それも分かると思う」


「ほぉ……」


「紫苑はおそらく、もう島にいない」


 そんなの、ありえない。

 紫苑がここから飛び降りたのは、ほんの数分前だ。


「俺がここに来た理由は、葵に呼ばれたから。で、葵は紫苑にここに来るように言われたんだよな」


「あ、あぁ……」


 奏斗には、その事話していない。どうして、分かるんだ?


「わざわざ、死んだことになってるあいつが姿を現した訳は?」


「……逃げ切れる算段があったなんて言いたいのか?」


「あいつには、協力者でもいるんだろう。今頃、協力者と一緒に海の上だろうね」


 おい。低く化け物の唸り声のように、刑事さんは放った。

 それと同時、刑事さんは、奏斗に殴りかかった。


「おやおや、善良な島民に何をしているんですか?」


「だまれ、お前はここの人間じゃない。いまいち、お前のことは信用できないんだよ」


「どうすれば、信用できますか?」


「俺の事、殴ってみろ!」


 いきなり、二人の殴り合いが始まった。

 でも、奏斗は一切の攻撃をしない。躱し、いなし、防いでいく。

 一方で、刑事さんは何度も何度も、奏斗に殴りかかる。


 昼、あんなにボコボコにされていたのに、どうなってんだ……。


「どうした! 殴り返せよ‼」


「……」


 奏斗は、静かに淡々と捌くだけだった。


***


「さてと、みんなはこれから、紫苑さんを追うよ」


 夜さんは、そう言った。

 灯台のある森。その中で俺達は息を潜めていた。


 いまいち、整理がつかない……。

 感情は腹の底でふつふつと、怒りを強めている。


「分かりました。行きましょう」


 さっき、灯台の上から紫苑が飛び降りた。

 上で何が起きているのか、わからない。


 けれど、夜さんは知っているようだった。


「いいかい、これは最後の戦いだよ。紫苑さん達を捕まえて、この島の犯罪者を一掃する。これが僕たちの仕事だ」


「分かった。やろう」


 ここに居る六人で、この一連の騒動を終わらせるんだ!

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