プロローグ
生暖かい目で読んでくれると嬉しいです
「ここは、いったいどこだ?」
目を覚ますとそこは、見覚えのない天井に。
温かく何かに包まれているような感触があり、見てみると真っ白な布団の中だ。
辺りを見渡してみると、学校の授業で何度か見たことのある、風景。
世界史や音楽史等の教材に載っている。
中世ヨーロッパの貴族が暮らしていそうな、とても煌びやかな一室。
ここは…………天国? そんな訳ないよな。
だが、俺は死んだはず。
とにかくここがどこか、調べないと、落ち着かないよ!
とにかく今自分がどうなっているのか、ここがどこなのか、調べようと体を動かそうとしてみる。
ん? 体が動かない?
つまり俺はまだ、生きているということか?
いやだが、腕は動くか。
腕を動かしてみるが、あまり力が入らず。
それに加えて立つことすらもできない。
足は少し動かすことはできたが、移動は難しそうだ。
不意に腕はどうなっているのかと、確認をするとそこには、自分が動かしたはずの、とても小さな手が現れる。
おいおい、俺の体赤ん坊になってねぇかぁぁぁああああ?
おい、どうなってんだこれは!?
え? だって俺さっきまで…………。
そう俺は、ついさっきまで大学生だったはずなだ……。
こういう時は先ず、頭の整理しよう。
自分の人生を振り返って、今あり得ないことが起きてい事に対して、何とか理解するように努めた。
俺は、今まで何も特別なことはなく、普通に生きていた。
面倒なことは避けて生きた。大学に入学したのも社会に出て困らないからという理由だ。
唯一の趣味は、現実を忘れさせてくれる、漫画やゲーム等の娯楽だった。
そんな、面白みのない人生を送っていたある日。
俺は電車のホームで、何者かに背後から押されて、電車に轢かれて死んだ。
この目で、電車が迫ってくるところを目にしたし、身体に当たる感触はなかったが。
だが間違いなく死んだはず。
でも、俺は赤ん坊で…………。
ま、まさか!
異世界転生!?
確証はない、でも、この姿といい部屋といい。
明らかに日本ではないことだけは分かる。
自分の容姿が見えているわけじゃないが、きっと誰かが俺を見に来るはずだ。
赤ん坊を放置するわけがないからな!
そうだよな…………いや、正直怖いから早く来てほしい。
俺の意識が、完全に目覚めてから数日経って、分かったことがある。
この国はグランキー帝国という国で、皇帝のアルへインという人が納めている国だ。
どうやら、父親はガイル・フォン・ミハイルというこの国の公爵らしい。
それから、俺の名前はカリルということが分かった。
カリルとしての俺には、兄弟はいないらしい。
そして俺の父親、ガイルはこの国で、三つある精鋭軍の一つで軍団長を務めている。
実力は、この国で五本の指に入る実力だと、メイドなどが話していた。
だが一番の発見は鑑定が使えるという事だ!
どうしても異世界に来たら試さずにはいられないようなぁ。
見方は超簡単で、頭で鑑定と考えるだけで勝手に出てくる。
まぁ、今は赤ん坊だから、強くはないが。
ていうか、普通に雑魚過ぎる。
名前 カリル・フォン・ミハイル
種族 人間
スキル
鑑定 改竄 思考加速
ふむ、ゲームみたいに数値は見えないんだな。
少しがっかりしながらも、これからの人生に思いを馳せていた。
俺は、前世では何もしなかった、面倒くさいことからは逃げて生きてきたし。
何も挑戦なんてしてこなかった。
だから、この世界では、いろんなことに挑戦して胸を張れる生き方をしよう。
もう一度人生をやり直す、二度目の人生はもっと面白おかしく暮らしてやる!