レース 前編
ここからはアナウンサーの実況という形でストーリーが進行します。
その際、「 」なしはアナウンサーA、「 」ありはアナウンサーBという形になっています。
山中第10レース、ノベルライターステークス、発走時間が近づいてまいりました。
ダートの2400m、ダートは不良となっています。
ユーアーザギター、ファイアオブブレス、トランクシオン、チョウゼツカワイイ、リュウギーノルカ、リガイン、トランクアビロード、ザスーパーバトルという、8頭立てで行われます。
「寂しい顔ぶれになりましたねえ。」
そうなんですよ。ただでさえ登録は10頭しかおらず、それが最終的に8頭立てになってしまったんですからねえ。
さあ、場内、雪が降り続ける中で、ファンファーレが鳴りました。
各馬続々と…、かすかではありますが、…向こう正面のゲートに入っていく様子が…、かろうじて見えます。
しかし、場内雪がさらに激しくなってきました。
「それにしてもすごい雪になりましたねえ。」
そうなんですよ。よりによってレース直前になって。
「何かバチ当たるようなことでもしたんじゃないですか(笑)?」
してないですよ。そんなことはないはずです…(苦笑)。
さあ、もうそろそろ奇数番の馬はゲートに納まったのではない…かと思われます…。
残すは、偶数番の4頭…、と思われます…が…。
「見えませんねえ。」
…ほとんど、見えません…。
とにかく場内、ふぶいております。
……。
(注:アナウンサー無言のまま、4秒程度の間が空いています。)
もうそろそろ…、8番のザスーパーバトルがゲートに納まった…と思われますが…。
「スタートしてますよ。」
えーー…。
「時計動いているから始まってますよ。」
ス…、スタート…しているようです…。
(注:2秒程の間が空いています。その間、場内で大爆笑が起こりました。)
えーー…、どの馬が飛び出しているんでしょうか…。
恐らくは…、逃げ馬であるトランクシオンが先頭に立ったと思われますが…。
ほとんど何も見えません!!
本当に、各馬が今どの順番でどこを走っているのかも全然分かりません。
えーー…、ダート2400mのノベルライターステークス、恐らくもうそろそろ1周目の3コーナーに差し掛かるのではないか…と思われます。
(こうしている間にも、場内には笑いがこだましています。)
時計はすでに20秒以上を経過しております。
しかし、馬の位置が全く分かりません!
3コーナーを回っているのは間違いないと思いますが、まだ馬の影すら見えません。
えーー…、恐らく先頭の馬はそろそろ4コーナーに差し掛かったのではないでしょうか。
まだ見えません!
とにかく凄い雪です!
…こうしている間にもレースは進んでおります。
間もなく、先頭の馬は1周目の直線に姿を現すのではないかと思われます。
先頭は…、あっ、今1頭影が見えました。
見えましたが、果たしてどの馬でしょうか…?
先頭は…、3…番は、トランクシオンです。やはり先頭に立っております。
かなりのスローペースで走っているようです。
後ろには…、1番のユーアーザギター。外には6番のリガインと7番トランクアビロードが並んでいます。
内には2番ファイアオブブレス、5番のリュウギーノルカ、外には8番のザスーパーバトル、最後尾は4番チョウゼツカワイイと続いております。
正面スタンド前で、ようやく各馬を見ることができました。
先頭から最後尾までは8馬身くらいでしょうか。
今、先頭の3番トランクシオンが1周目のゴール前を通過しました。
2番手には相変わらずユーアーザギター。そのすぐ後ろをリガイン、トランクアビロードと続きます。
ファイアオブブレス、リュウギーノルカ、ザスーパーバトルはほぼ横に並んでいます。
最後尾はチョウゼツカワイイ。
先頭のトランクシオンは1コーナーを回っていきます。
レースはこれから2周目。どのような展開になっていくのでしょうか?
…というわけで、1周目の直線でどうにか馬の姿が見えたため、8頭の馬の名前を読み上げることはできましたが…、悲惨な実況はまだ終わりません。
後半に続く。