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蒼ノ英雄譚 〜最強旅団の魔滅記録〜  作者: 暁
第2章 スタンピード編
22/28

〜接触〜

「何だと!?」


カインは声を張り上げる。


「どんな手段を使えば20万を超えるスタンピードを終わらせられるのだ……」


「詳細はパメラ総指揮官が戻られたら報告するそうです」


「わかった……」


カインが驚くのも無理はない。

各方面の通達関連で胃を痛ませていたカインに伝令が報告して来た事は、スタンピードの終わりであった事なのだから。


「私は幻でも見てるのだろうか……」


カインの緊張は逸れ胃痛もいつの間にか治っていた。



ーーーーーーーーーー


「よし、終わったし帰ろうか」


「帰ったら、僕は肉料理を食べたいなぁ、レオナも一緒に食べようね!」


「あぁ、だがこれだけ派手にやったんだ、誰かしらの接触はあると思うぞ」


「ありそうだね、ハヤトもお腹空かせてるし今日くらいゆっくりしたいから明日にって事にしよう」


ユレン達はそんなやり取りをしながら帰ろうとする。

案の条、乗馬した誰かが近づいて来てストップをかけられた。


「すまないが待ってくれないか!」


パメラは馬から降りてユレン達に向き直る。


「私はカイン・ヘレクレイム伯爵に仕えているパメラという者です、あなた方のお名前をお聞きしたい」


「ユレンです、この銀狼は従魔のハヤトです」


「ワン!!」


「私はレオナと申します」


それぞれ挨拶を済ます。


「ユレンさん達は冒険者ですか?」


「そうですがそれが何か?」


「これだけの実力者達にも関わらず何も噂などは耳に入ってこなかったもので確かめました」


「ヘレクレイムには来たばかりですし、冒険者にもなったばかりなので知らなくて当然ですよ」


「ユレン、ちなみに私も最近冒険者になったばかりだ」


「え?そうなの?」


意外な事実にユレンは驚く。

話しが脱線しようとしてるのでパメラは軌道を戻す。


「このあと領主と面会してもらいたいのですがよろしいでしょうか?」


「すみません、俺達はこのあと疲れもあるんでゆっくりしようかと相談していたところなんです」


パメラが頭を下げる。


「気が利かなくて申し訳ありません、4日後に伺いますので冒険者ギルドでお待ち頂いてもよろしいでしょうか?」


「それで構わないです、9時には居ますのでその時に」


「わかりました、お手数をかけます、長く引き留めても申し訳ないですし私はこれで失礼します」


パメラは馬に乗り去って行く。


「明日は忙しくなりそうだな」


レオナは苦笑していた。



次に話しかけたのはザガだ。


「お前さん達とんでもない連中だな」


「え?」


「遠足に来たみたいな感覚でいやがるからよ、おっと俺の名前はザガだ、ヘレクレイムの冒険者ギルドマスターをやっている」


ギルドマスターのお出ましにユレンは緊張する。


「お前さんの名はユレンだろ?ゴルドーが優秀な新人が入って来たと聞いてたが優秀すぎんだろ」


ザガはガハハと笑いながらユレンの背中を叩く。


「んで、お前さんはレオナだな?これほどの手だれとはな……猫被ってやがったな」


「さて、何のことやら」


ザガはニヤッと笑いながら言うがレオナは受け流した。


「まぁいいや、伯爵の話しの後でいいから俺んとこにも来てくれ」


「あ、聞こえてたんですか?」


「唇の動き見れば多少はわかるよ、待ってるぜ」


そう言うとザガは去って行った。


次に話しかけて来たのは雄大だ。


「ちょっといいかな?」


「あ、はい」


「初めまして、俺の名前は高橋雄大、Sランク冒険者だ」


ギルドマスターに続いてSランク冒険者に話しかけれ再びユレンは緊張する。


「その、何か用ですか?」


「とりあえず名前を聞いてもいいかい?」


「ユレンです、従魔のハヤトです」


「私はレオナです」


「よろしく、ユレン、ハヤト、レオナ」


雄大は笑顔で握手して来る。


「とんでもない実力者達だと思ってね、Sランクで少し天狗になってた自分が恥ずかしくなったよ、それでどんな人なのか気になったんだよ」


雄大はユレン、ハヤト、を見る。


「脳ある鷹は爪を隠すって言うもんな……」


「主の事軽くdisってない?」


ユレンはハヤトの頭を軽く叩いた。

雄大はレオナを直視する。


「とても綺麗な人で思わずじっと見てしまった、申し訳ない」


雄大はキラッと白い歯を見せハニカム。


「あ、は、はい」


レオナの背筋に悪寒が走る、キラキラ男子は苦手なようだ。

取り巻き達がレオナを呪い殺さんくらいの目をして睨んでる。

天然ジゴロで無自覚ハーレムを作っている雄大を見てユレンは呆れる。


「あ、あのこれから俺達用事あるんで、この辺で失礼します」


「あぁ、引き留めてすまなかった、縁があればまた会おう」


ユレンは寒がっているレオナを安じて早々に引き上げる。


「僕たち一気に有名人だね」


ヘレクレイムに向けて帰るユレン達を兵達が畏怖の目で見ていた。


「まぁそろそろ次の都市に行くし、それまでの辛抱だよ」


「まぁとりあえず私達は明日の伯爵との面会を乗り切ろうか」


こうして人々に語られる英雄譚が積み重なって行くのをユレン達はまだ知らない。










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