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蒼ノ英雄譚 〜最強旅団の魔滅記録〜  作者: 暁
第2章 スタンピード編
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〜竜とスタンピード〜

朝になりギルドへ向かうユレンとハヤト。


「おはよう、ユレン、ハヤト」


レオナは先にギルドに着いていた様だ。


「おはよう」


「おはよう、レオナ!」


「早速、依頼を見てみようか」


ユレン達は掲示板へ行き依頼を選ぶ。


「この辺かな」


討伐、薬草採取を選び取り受付へ持っていく。

依頼を受け早速向かう。

ユレン達は今回サガリト山の麓まで向かう。


「モンスターの遭遇する頻度が若干多いな」


麓に着くと、そうレオナが呟く。


「え? そうなの?」


モンスターを屠りながらユレンが尋ねる。


「あぁ、ちょくちょく依頼を受けて来るんだが体感的に多い気がする……」


レオナは違和感を覚えた。


「まぁ、そういう日もあるんじゃない?」


「そうだな」


ハヤトの言葉にレオナは深く考える事をやめた。


ユレン達はノルマを多く超える収穫を手にギルドに戻る。


「よかったらレオナも一緒に晩御飯食べない?」


「それいいね! 一緒に食べよう!」


ユレンとハヤトの誘いにレオナは笑みが溢れた。


「喜んで!」


素材を引き渡す。


「今日もすごいですね、あのよかったら今晩よかったら晩御飯一緒に食べませんか?」


素材引き渡し担当の受付嬢は将来有望のユレンにツバをつけておく算段だった。

上目遣いでユレンを誘惑する。


「あー、今日は先客がいて……」


ユレンはレオナの事を頭に浮かべ断る。


(チッ)


「えー、それは残念です、また誘いますね」


心の中で舌打ちしながらも、受付嬢は諦めてなかった。


そんな光景を見てブツブツ話すパーティがいた。


「いい気になりやがって、調子乗んなよクソが……」


駆け出しの冒険者なのに確かな実績を作り、受付嬢に逆ナンされ、すごい美人の仲間を引き連れて和気藹々と依頼をこなしてる姿を見て面白くない輩も多かった。


そんな事も知らずにユレン達は青魚の肴亭で晩飯を摂るために移動する。


「ここの山椒と特製タレで蒸した魚がすごく美味しいんだよ!」


ハヤトはおすすめをレオナに教える。


「是非食べたいな!」


そんな些細な会話も嬉しくてレオナは堪らなく幸せだった。


「レオナはどこで剣を習ったの?」


ユレンはふと疑問に思いレオナに問う。


「私の家系は元々剣術を生業にしていてね」


「すごい腕前で驚いたよ」


「ありがとう」


ユレン達は談笑しながら魚料理に舌鼓をうつ。


「実は私はあまり人と深く関わるのが苦手でね、だが今日は心からとても楽しかった」


レオナはユレンとハヤトに笑顔を振りまき夜が深くなってきたのかレオナは宿に戻って行った。


お互い完全に打ち解けたのかそこからユレン、レオナ、ハヤトの快進撃が続いた。


「マジであいつらやっちまうか」


「調子のりすぎたろ」


酒場で悪態をつく男がいた。


Cランク冒険者のバランはパーティメンバーに提案する。

パーティメンバーは下卑た顔をしながらリーダーのバランの提案に頷く。

そしてバランはある作戦を閃きパーティメンバーに作戦を伝えるのであった。


「あー、もうこんな時間! 買い物行かないと!」


アリッサは宿で出す晩飯の食材を買いに慌てて支度をし市場へ向かう。


「ちょっと遅れそうだな……近道しちゃえ!」


アリッサは人気の無い道へとずれる。


その後ろには尾行する男がいる事も知らずに。


しばらく歩いてあるとアリッサは後ろに気配を感じ振り返ようとする。


「んっ!」


深眠香を浸した布で鼻を塞がれアリッサは気絶する様に眠ってしまう。


「ここまでは作戦通りだな……」


パーティメンバーでバランの舎弟がそう呟きアリッサは路地裏に置いておいた酒樽の中へ押し込まれ放置されてしまう。


「どこ行ったんだアリッサ……」


「どうしたんですか?」


アリッサの親父さんが右往左往してるのを見てユレンは何かあったのか尋ねる。


「実は買い物に行ったきり帰って来なくて」


時刻は夜の19時だった。

こんなに遅くなる事はありえないと親父さんは考える。


その会話の最中にバランが入り込む。


「そういえば、赤髪の女の子が男に連れられてサガリト山の方に向かったのを見たっけ」


「なっ! 何かあったに違いないどうしよう……」


バランの目撃情報を聞いて親父さんは青褪めた。


「急を要するな! 俺が後を追ってなんとかしてやりたいとこなんだが、生憎武器を修理に出しててな……そこの青髪の兄ちゃんが代わりに行ってくれねぇか?」


バランはユレンに頭を下げる。


「俺からもお願いします……」


それを見て親父さんも頭を下げた。


「わかりました!」


ユレンもアリッサが心配なので快諾した。


(バカめ……尾行して山の麓まで行った辺りでぶっ殺してやる……)


お辞儀をしているバランの顔はほくそ笑んでいた。


「ハヤト、今からアリッサを探しに行く、着いてきてくれ!」


「うん! すぐに向かおう!」


ユレンはハヤトを連れ外に出る。


「ユレンにハヤト今からどこか行くのかい?」


そこにユレンとハヤトを食事に誘いに来たレオナと出くわす。

ユレンはレオナにアリッサの事を説明した。


「ふむ……なら私も行こう、人数は多いに越した事はないしな」


レオナの同行が決まりユレン達はサガリト山に向かった。


「僕ら誰かにつけられてるね」


少し経ってハヤトが言う。


「あぁ10人はいるな」


レオナは呆れる。


「まぁ、今問い詰めてもしらばっくれるかもしれないし何かするまで泳がせておこう」


ユレンは余裕を崩さない。


ユレン達は気づかないふりをした。


そんな事も知らずにバラン達は含み笑いをして下卑た話をしていた。


「あのガキはぶっ殺せて、あの姉ちゃんもついてくるとは運が周ってきたぜ」


「リーダー、あの女犯してやろうぜ」


「ヒーヒー言わしてやるでやんす」


「バカ野郎、このバラン様が最初に犯るからな笑」


バランとパーティメンバー達はウキウキだった。


4時間かけて山の麓まで着く。

夜だというのに月明かりのおかげかそこまで暗く感じない。


「さて、そろそろかな」


ユレンはそろそろ尾行者が仕掛けてくるタイミングだと予想する。


案の定バラン達はユレンの前に姿を現す。


「ガキどもがぁ、調子のってんじゃねぇぞ、先輩が冒険者の厳しさっていうものを手取り足取り教えてやらぁ!」


「あと、女ぁ、お前にはこのガキぶっ殺し終わったらいいことしてやるからなぁ、楽しみにしとけよなぁ」


バランは指ポキしながらドスを効かせた声で言う。

バランのパーティメンバー達もニヤついた笑みを浮かべていた。


「やれやれ」


レオナはめんどくさそうにしている。


「主? あいつら返り討ちにしよ?」


ハヤトはキレ気味だ。


「ハヤト、ほどほどにな」


そんなハヤトをユレンは宥める。


「ギャォォォォ!!」


一触即発なその時巨大な何かの咆哮が静寂の夜に響き渡る。

その場にいた者は皆等しく硬直した。


「なんだ?」


ユレンは思わず呟く。


「主! 上!」


ハヤトは山の頂から何かがやって来るのに気づく。


徐々に全貌が見えてくる、月明かりに照らされながらそれはユレン達を見据えた。


バランは唖然としながら呟く。


「ドラゴン……」


それは障気を撒き散らす巨大な赤竜だった。


我に帰ったバランは声を張り上げる。


「おまえら逃げるぞ!!」


バラン達は死に物狂いでヘレクレイムへと戻る為に駆け出す。


「ユレン! ハヤト! 私達も逃げるぞ!」


珍しくレオナは声を張り上げ逃げるよう促す。


「ギャァォォォォ!!」


赤竜のブレスが逃げ道を遮る。

赤竜はユレン達だけを逃さなかった。


「こりゃついてるぜ」


バラン達は赤竜が追って来ない事に安堵する。

しばらく走っているとバラン達の背後から大量の足音が迫る。


「なんだ?」


バラン達は走るのをやめて振り返る。

そいつらはやって来た。


ハイオーク、ホブゴブリン、アーマバッファロー、エイビルムカデ、ロックバードetc……それは多種多様のモンスター達だった。


"スタンピード"


それはモンスターの大量発生を示す言葉。

だが、今バラン達の背後にいるモンスターの数は大量なんて言葉は生易しい。



20万を超えるだろうモンスター達の津波と呼べる様な現象だった。






































次回 vs赤竜

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