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蒼ノ英雄譚 〜最強旅団の魔滅記録〜  作者: 暁
第1章 深緑の森編
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〜銀狼の成長〜

銀狼と黒狼の戦いは続く。

だが黒狼はまだまだ余裕がありそうな感じでハヤトを弄ぶかの様な攻撃をする。

それは黒狼にとって遊びに近かった。



〜ハヤト視点〜



(僕は主といろんな敵と戦って成長している、お母さんの敵が目の前にいるんだきっと勝てる、いや、勝たなくちゃいけないんだ!!)


ハヤトは果敢にヴァイアスに攻撃をする。


ヴァイアスはその攻撃を防御または回避し甘い攻撃をハヤトに繰り出す。

そしてヴァイアスは呟く


(つまらん雑魚が)


ヴァイアスはすでに飽きていた。

自分を前に逃げ出さず攻撃をしかけてきた事に少しは骨のある奴かと思ったがヴァイアスにとっては期待はずれだった。


ヴァイアスは早く戦いを終わらせてジェネシスの元に向かおうと思考を巡らす。

そして本腰を入れて攻撃をし始める、2つの頭が噛み付かんとし、鋭い爪がハヤトに迫る。


(スピードが上がった! 攻撃の鋭さもさっきと段違いだ!)


ハヤトは本腰を入れたヴァイアスの攻撃を何とか防いでいるが、このままでは負けると思いスキルを発動した。


(氷狼変化!!)


ハヤトの体から冷気が漂う。


ヴァイアスはハヤトの変化を見て驚く

そしてニヤリと笑った。


ハヤトのスピードは格段に上がる。

それはヴァイアスを超える程であった。

ハヤトの爪がヴァイアスの胴体にくいこみ傷をつける、傷口は凍傷し始めヴァイアスはまた驚く。


(ほう、面白い)


ヴァイアスはそれでも余裕を崩さなかった。


ハヤトはヴァイアスの余裕ぶった態度に苛立つがこのまま攻撃を当て続ければ、オーガロードみたく動けなくなる事を期待して果敢に攻めた。


だがヴァイアスはそんなハヤトの期待を踏み躙るかのよう様にそれを発動させた。


(炎狼王変化(ナグルファー))


ヴァイアスの毛並みが炎に変わり全身から炎が揺らめく。

それは明らかにハヤトのスキルを上回っていた。


(何だと!!)


ハヤトは驚き攻撃の手が緩む。


その隙を逃さずヴァイアスは攻撃をする


(双頭の(オルトロス)炎球(・フランマ))


2つの口から炎球を放ちハヤトを捉える、ハヤトは吹き飛ばされ転がる。


(うぅ……)


ハヤトは痛みを堪えながらも立ち上がる。

そんなハヤトにヴァイアスは疑問をぶつける。


(何がお前をそこまで掻き立てる?)


(お前はお母さんの敵だ!! そして僕の主の敵でもある!!)


ハヤトは声を荒げる。



(さっきのヒューマンの敵ではあるが、母の敵? 何の事だ?)


ハヤトの言う事にヴァイアスは首を傾げた。


(な……レウコンカウダウルフとその子供の銀狼を襲った事を覚えてないのかッ!!!)


ハヤトは怒りに染まる。


(あぁ……いたなそんな雑魚が、確か最後まであなたは私が守るとかほざいてたな、まぁ死んだが)


ヴァイアスはそんな存在居たなくらいに思い出し、嘲笑った。


(うわぁぁぁぁぁぁッ!!!!!)


ハヤトは怒りが頂点に達し、がむしゃらにヴァイアスへと攻撃を繰り出す。

ハヤトの爪が牙が冷気がヴァイアスを襲う、だがどの攻撃もヴァイアスの炎を凌駕する事はできなかった。


(そうかお前はその時の銀狼か、わざわざ死にに俺の前に立つとは滑稽にも程があるな笑)


ヴァイアスは含み笑いをしてハヤトに言う。


(炎爪斬(トミカル))


ヴァイアスの炎の爪がハヤトの胴体を捉えハヤトは致命傷を負う。


(僕は…………マケラレナイ……)


ハヤトはもう限界だった。

意識を手放したい、逃げたい、許しを乞いたい、そんな思いに駆られるがハヤトの母への想いがユレンに助けらた時の誓いがそれを許さない。


だが氷狼変化もずっと発動できるわけではない、時期にスキルは解除される事をハヤトは感じていた。


ヴァイアスはゆっくりとハヤトに近づきトドメを刺そうとする。

だが目が霞んでいるハヤトに見えたのはヴァイアスではなく光に包まれたとても綺麗なヒューマンの女性だった。


そしてその人は告げる。


(天の因子を持つ者の仲間よ、ユグドラシルの力をあなたに捧げます、どうか生きて)


その最後に女性が言った "生きて" という言葉は偶然かハヤトに死ぬ間際に残した母の言葉を彷彿させハヤトに生きる力を齎す。


そしてハヤトの脳内にアナウンスが流れる


(※スキル "氷狼変化" が "氷狼王変化'' (ニードヘッグ)へと進化しました※)


ハヤトは進化したスキルを発動する。


ハヤトの体からとてつもない冷気が発せられる、毛並みが白銀へと変わる、そしてヴァイアスの炎爪斬で受けた傷が氷に包まれた後完治した。


ヴァイアスは驚愕し歩みを止めた。


(何だと!!)


余裕だった態度は一気に警戒へと変わる。


ハヤトは立ち上がる。


(ボクハイキル……)


早すぎる力だった。

ハヤトの意識はなく自我で喋っていない、ユグドラシルとスキルの力で立っていた、当然力の制御はできていない。


ヴァイアスは攻撃を仕掛ける。


(双頭の(オルトロス)炎連弾(・ガンズフランマ))


2つの口から炎の散弾が縦横無尽にハヤトに降り注ぐ。

ハヤトはそれをジャンプしながら身を捻り避け、着地と同時に転がり全てを避けきった。


その光景にヴァイアスは初めて焦りを覚える。

先程の銀狼とは別者かとさえ思えた。


(ボクハイキル……)


ハヤトはヴァイアスに迫る。


高速で繰り出される攻撃にヴァイアスは徐々に傷が増えていく。

一進一退の攻防が続いた。

ヴァイアスのスキルもそろそろ効力がきれる頃合いだ。

このままでは負けると思い、ヴァイアスは自身が使える1番強力な技を発動させ戦いを終わらせようとする。


(煉炎獄(ヘル・カタルフィリオ))


漆黒の炎がまとわりつく様にハヤトを飲み込む。

ハヤトは身を焦がしながら黒炎を耐える中、母の声が聞こえる。


(ここで負けたらあなたの主の所へ黒狼が向かいあなたの主が危険に晒されるわ、今度はあなたが誰かを守る番よ……さぁ、意識をちゃんと持って……)


(ボクガマモル……?)


(……ボクガマモル)


(ぼくがまもる)


(僕が主を守る!!)


ハヤトは自我を取り戻し黒炎から脱出する。


(クソガァァァァ!!)


ヴァイアスはこれで最後と思った技で仕留めきれず悪態をついた。


そんなヴァイアスにハヤトは技を放った。


(氷粒子崩壊(ダイアモンドダスト))


氷の粒子を吸い込み体に浴びたヴァイアスは体中の細胞さえ凍りつく。

そして粒子は崩壊する、ヴァイアスの体が粒子と共に消えていく。

気づけば周りは冬でもないのに雪景色に包まれていた。




〜ハヤト視点終了〜


「ワォォォーーン!!」


ハヤトの勝鬨が森に響き、そしてスキルが解除される。

ハヤトは主の無事を願って戦いの反動からか、意識を再び手放した。
































次回 ユレンvsジェネシス

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