31話.告白しました……
焦らすのは苦手(ざまぁもの書けないタイプ)なので、一瞬で解決させてしまいます。
あと、アドラー視点の番外編と本編三話……と、みんなの番外編で完結です。
総合評価150pt、本当にありがとうございます!!
今日、告白すると決めた。
卒業式前日、断罪される前に告白しようと思ったのだ。
「……うぅ~」
告白すると思ってから学園に行くのが憂鬱だ。さっきから学園に行く準備をしてから、粘って家にいる。
「お嬢様、もうそろそろいってらっしゃいませ。アドラー様とのことでお悩みになり、なかなか勇気が出せないのはわかりますが、早く行かないと遅刻してしまいます。アドラー様も待って下さっています」
「うん、わかってるよ……」
そう、アドラーを待たせている。それはそうだ。毎日一緒に登下校しているのだから。
だからこそ、気が進まない。今日告白する――しかも、2人きりの時間が短いので登下校のどちらかにするつもりの――相手と15分間(馬車でそのくらい)密室で2人きりなんて、こっちが気まずいに違いない。
すぅぅぅ、はぁぁぁ…………
「わかった。行ってくる!」
「?……い、いってらっしゃいませ」
深呼吸をして、大きく背伸びすると、馬車へと駆けつけていった。
深呼吸の力は偉大だと思った。
「アドラー様」
「遅かったな」
「え、えぇ。少し、気持ちの問題というか……」
「ん?何か言ったか?」
こういうところでなぜか鈍感さを発揮するアドラー。
改めて、近くでアドラーの顔を見る。
輝く金色の髪に、深い深い緑の瞳。整った綺麗な顔立ちに、思わず溜息が出てしまう。確かに第一王子もイケメンだったけれど、アドラーには敵わない気がする。
「どうかしたか?」
「アドラー様が、たまらなく格好いいなぁと思っておりました」
ん?
んん?
ちょっと待って。今私アドラー様に何言った!?たまらなく格好いい、とか言わなかった!?いやそうだけど、そうだけどちょっと待って。
「※♯&@¥♭%!?」
なぜだろう、物凄くアドラーが慌てている。言葉にならない悲鳴を上げて、私の傍から離れ、逃げようとして馬車の窓にぶつかっている。
そんなに私のことが嫌いなのだろうか。
「そんなに私のことが、嫌いですか?」
さっきの動揺も忘れて、思わず声に出してしまう。今日は告白するという目標のせいか、ドジを踏んでばかりだ。
「……っ。………………………そんなことは、ない。俺はライラのことが好きだ」
アドラーが慌てて言った言葉に、一瞬呆けてしまうが、すぐにお世辞だと気づく。
……こういうこと言わないと、断罪出来ないし、ね。一応私も公爵令嬢だし。
「ありがとうございます、お世辞だとしても嬉しいです」
「違う、お世辞じゃなくて、俺は本当に、…………ライラのことが好きだ」
アドラーのやや低い声で語られた言葉に、私は目を見張る。
「え、けれど、アドラー様はマリーちゃんのことが……」
「本当だ」
「……え?本当ですか?」
くどいけれど、信じられないのだ。本当に。
「……っだから、本当に、俺はライラのことが好きだ。…………………………なんなら、全校生徒の前でキスしてもいいんだぞ」
アドラーがこちらに向かって距離を詰め、私に近寄ってくる。
そう低い声で耳元に囁かれ、私は思わずのけぞった。
本気であるということがわかって、私の頬に何の感情からとも言えない、温かい涙が流れた。
「私、アドラー様のことが好きです」
そう言うと、今度はアドラーが信じられないといったような表情でこちらを見た。
「本当ですよ?」
私はそう言って、アドラーの頬にキスをした。
お読みいただきありがとうございます。
なんか、普通にどっちも鈍感……。けどやっとちょっと俺様部分を発揮してますね。甘いぃ――、いや――だぁ、もう、自称アラサー喪女ぉ!恋愛経験者だろ!こっちが死ぬんですけど。……明日はアドラー視点です。
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