4話.準備期間が半日しかないとは一体全体どういうことでしょう?/『あくまつ』登場人物紹介
長くなった(元から書いてました。字数みるとちょっと長かった)のでわけました。
早速のブックマーク登録に思わずニヤついてしまいました……!
「えっと、ミラ?今、何て?明日から魔法学園に入学するって……」
「……はい。そう申し上げましたよ……?」
さすがのミラさんも困惑気味である。自分の主が目が覚めたら頭も耳も悪くなってたんだもんね。しかも、かなり失礼な(正確な)ことを言っても怒られなかったし。
明日から魔法学園に入学する。それはつまり、主人公が悪役令嬢に転生する系のライトノベルであるあるの、いわゆる準備期間が半日しかないということで。
準備期間。それは、悪役令嬢に転生した主人公がヒロインに会うまでの期間のことで、その期間のうちに主人公が攻略対象を虜にすると、主人公は破滅を免れる。だいたい、2年~7年くらい。その準備期間が半日しかない。これは……
詰 ん だ。破滅確定、なのでは?
いやいやいやそんな物騒な……。けどさ、後半日で最低でも婚約者様との関係を修復しないといけないだよ?なんという無理ゲー。
ヤバいなこれは。とりあえずまたベットの中で百面相しとこう。この半日でできるだけ破滅回避大作戦を考えておかないと……。
「ミラ、ちょっとまた頭痛が……。ベットの中で休んでおくわね。ありがとう」
頭痛がするのは噓ではない。本当にする。精神的な意味で。
あと、案の定ミラは薄い水色の目を見開いた。私が礼を言うのが珍しかったのだろう。
はぁ。
なんかなぁ。私も本当に、運がないというかなんというか。アラサー時代の悪運がこんなところで発揮されるとは……。
よし、気を取り直して作戦を考えよう。ここは、先人たちの知恵を借ります!
自分が悪役令嬢に転生したと知った主人公たちがなにを考えていたか?答えは……そう!ヒロインや攻略対象と関わらない!だいたい失敗してるんだけど、ハッピーエンドだったから大丈夫!……多分。
まあ、それに、ライラが主人公をいじめるから婚約者様やお兄様に嫌われて追放されるんだし。(お兄様は、元から……かな?)
じゃあ次は、ライラ以外の登場人物についてだな。ふぅ、気が重い……。
最初は、何と言ってもヒロイン!主人公だよね!(真の)
『あくまつ』の主人公を、マリーという。マリー・スコット。
見た目、黒髪青眼。清楚系美少女。小柄で可愛い。世の中の男性の理想像だわ。ちなみに、当然だけどライラと同い年で……入学直前ってことは15歳。
身分は、男爵令嬢。貴族の中で一番低い。ちなみに、ライラは公爵令嬢である。
そして、性格。一言でいうとすごい良い。
謙虚さ。優しさ。思いやり。この全てを持っていた。道徳の教科書は彼女をテーマにすればいいと思うくらいに。そんなマリーのことが、私はあまり好きではなかった。なんというか、苦手意識持ってたんだよなぁ。私にはないものを持っていたから。
まあ、マリーには私もあんまり会いたくないので近づかないようにしよ。破滅近づくし。
次はライラの婚約者で王太子殿下のアドラー。アドラー・ライル。
見た目、金髪緑眼の王子様。まあ、街を歩けば10人中15人が振り返るような美少年。
おかしいな。計算が合ってない。5人は幽霊?幽霊も振り返るってこと?
ライラと同い年。
次、身分。わかるよね?ライル帝国の第三王子。
最後に、性格。第三王子……俺様王子。グイグイ引っ張っていくタイプ。そこがか弱い貴族令嬢にはたまらんのだとか。正義感も強い。
……俺様王子かぁ。何を隠そう、私の前世の推しは、この俺様王子だったんだよなぁ。あのご尊顔が間近で見れるとは……。世の中、悪いことばかりじゃないっすね。
後は……お兄様くらいかな。原作でもお兄様とアドラーが主人公を取り合って、お兄様はアドラーを認めて一緒にライラを追放するんだよなぁ。
お兄様。名前はアイラ・メルヴィル。ちょっと女の子っぽい名前だけど、男性。
見た目、薄い金髪にライラと同じ深紅の目。お兄様は、うーん、出来る男の余裕が漂っている。やっぱり、俺様王子とか言ってもお兄様には敵わないんだよ。お兄様のほうが当然年上だしね。公務もすごいしてるし。お兄様は、ライラより3歳年上。この世界は18歳で成人だから、今年で成人ってことになる。
身分は……まあ、わかると思うけど、公爵令息で、次期公爵様。
性格……大人の包容力があって年下の令嬢には大人気らしい。知らない。アラサーだった私にはわからないことだもん。18歳っていっても、私よりはだいぶ年下じゃん?
まあそれはともかく、『あくまつ』はだいたいこの3人とライラで形成される物語だ。あと申し訳程度にマリーのことを好きなマリーの義弟とか出てくるけど、脇役なのは間違いない。
……アドラーはライラの婚約者だし、アイラはライラのお兄様だしね。
お読みいただきありがとうございます。
『悪役令嬢は断頭台で、生まれて初めて微笑んだ』(https://ncode.syosetu.com/n8471hb/)を読んでくださった方にはわかると思うんですよね。そうです、あのキャラの関係者です。
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