23話.なぜここに貴方方がいるのか私には理解不能です
今日から二年生です♪
第三章になります。
さぁ、私の家での楽しい勉強会も終わって、春休みも終わって、とうとう新学年ですわ、皆様。わたくし、ライラ・メルヴィルは今日も憂鬱に1日を過ごしますの――
どうも、逃走中……じゃなくて迷走中のライラです。
上記にある通り、今日から新学年。1年の最後の期末テストで、またクラス分けされるから、さっきクラス張り出されてたらしい。
……え?私?見に行ってないよ、だってマリーちゃんが、なんか「ライラ様をあんな人混みに行かせるわけには……わたしが行ってきますから、ライラ様は教室で待っててください!!」って止める間もなく飛び出していったもん。
ちなみに私とアドラー、マリーはAクラスだった。クラス落ちという無様な真似をしなかったことに安堵する。
……クラス落ちしたら、当然のようにAクラス、いやそれ以上のランクを維持しているお兄様に、「メルヴィル公爵家の恥に――」とか言われるしね。
問題はその次、クラスメイト。
なんか、増えてるんですけど。
はい、顔ぶれ。知人、
アドラー、マリー、私、ミサ、アーノルド、シャーロット。
……なぜにおとしゅじ組の3人がいるんだろう?
一切、全く!本にはお互いの人達、出てきてなかったよ?
1つ言わせて。
マジで?
そしてなんと、わたくしの隣の席にダーヴィン侯爵令嬢がいますの。
つまり、シャーロット。
その人がわたくしに話しかけてきますの。
「メルヴィル様、今日から一年間、よろしくお願いいたしますね」
「はい、もちろんです、ダーヴィンさん」
こんな風に。
一見普通の会話に見えるが、それは違う。悪役令嬢同士の会話……物凄いなにかが張り巡らされているに違いない。…………………………たぶん。
「あ、そういえば、メルヴィル様の婚約者様って、第三王子のアドラー様でしたよね?仲が良いようで、羨ましいです」
そう言ったシャーロットの目にはとてつもない嫉妬の炎が浮かんでいる――わけではなく、ただただ微笑ましいものを見る目で私を見ていた。
……あれ?なんか性格違う。
「そ、そういうシャー……ダーヴィンさんこそ、第二王子とは上手くいっていますか?」
私がそう言うとシャーロットは、緑の瞳を不思議そうに瞬かせて、衝撃の事実を告げた。
「あら、ご存じありませんの?わたくし、ジェラード様に婚約破棄されましたの。隣国に婚約者もいて、幸せなのですよ」
……ええぇぇぇぇぇぇぇ!?マジで!?2年後の婚約破棄イベント、もう終わったの!?記憶がないからわかんない、そういうこと!隣国に婚約者?すげぇ。婚約破棄ものそのまんまじゃん。
「そ、そうでしたの。アドラー様もわたくしを大切にしてくれて、わたくしも幸せなのですよ」
「ライラ」
「え?」
アドラーがいた。まさかのご本人登場。
なんだこれは!超恥ずかしい!ラブコメか!
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