17話.ミサに会いました
あらすじのところにミサの台詞を入れ忘れていたことに気が付き……修正しました。
「お嬢様、身分差を忘れないようにご注意くださいませ」
「ミラ、わかってるよ。そんな、身分差なんて大げさな……」
「いいえ、お嬢様。子爵令嬢と公爵令嬢では明らかに違います。そのことをしっかりと頭に入れておいてください……。今日も、お屋敷に招くのはどうかと思うと言ったのに、当主様はお嬢様に甘いので快くOKしてしまいましたし……。本当に、ちゃんとしてくださいね?」
ミラは学園に行く前に、私にこんなに念を押してきた。
というのも、ミラがミサのことをお父様に言ったところ、「ライラのお友達?じゃあ、学園で話すよりも、ここで話した方がよいだろう。ジョンソン、ジャーディン子爵家に招待状を出してくれ」と快く了承してくれ、急遽家に招くことになり、今に至る。私だってまさか家に招くことになるとは思わなかった。
ただ転生者の苦労を話したかっただけで、こんなことになるとは。まぁ、何とかなるかなぁ。
◇◇◇◇◇
「メ、メメメメルヴィル様っ、き、きょきょ今日お呼びしてくださったのは、どのような用件でしょうかっ……!?」
「ジャーディンさん、そんなに固くならなくても良いのですよ。私が個人的に、話したいことがあってお呼びしただけですから」
言ってみてすぐに、逆効果だったことに気づく。こんなの、悪役令嬢に絡まれる図しか思いつかない。公爵家に招かれるだけで子爵家にとっては大ニュースなのに、招かれて公爵令嬢と二人きりなんて、緊張するに違いない。というか緊張しかしない。
……そう、私はミラさえも部屋から追い出して、ミサとの対談に臨んでいた。緊張するのも当たり前だわ。
「その、ジャーディンさん、聞き覚えがなかったら聞かなかったふりをしてほしいのだけれど」
これで聞き覚えがなかったら私はものすごく恥ずかしい。
「はい……?何でしょうか」
「『日本』『悪役令嬢』『乙女ゲーム』『ごく普通の乙女ゲームです!』」
「……っ」
ミサの顔色が変わった。もう、全くの勘違いでしたという展開の可能性はなくなったはずだ。
ちなみに最後の、『ごく普通の乙女ゲームです!』は、ミサが転生した乙女ゲームの名前だ。ネーミングセンスがないなと思う。まぁ、人のことは言えないが。
「ジャーディンさん、いいえ、ミサさん……貴女も転生者なのでしょう?わたくし、とある本の悪役令嬢なのですが……破滅フラグを回避すべく日々頑張っているのです」
「え……?にわかには信じられませんが……本当なのですよね?転生者じゃない人が乙女ゲームや日本のことを知っているはずもないですし……。それにしても、悪役令嬢ですか、いいですね」
お読みいただきありがとうございます。
謎の切れ方……
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