10話.出会い&フラグオンパレードイベント、はっじまっるよー?
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「ライラ、ダンス上手いな」
「アドラー様こそ、お上手ですわ。わたくしでは見劣りしてしまいますもの」
私は今、アドラーとダンスをしている。
大事なことだからもう一度言おう。
私は今、アドラーとダンスをしている。
つまり、めちゃくちゃ密着している。アドラーと。推し様と。
……ひゃあああぁぁぁ!!!!近い!アドラー様の吐息がっ!耳にかかってるんだよっ!?厚い胸板がっ!あたってるんだよっ!?(こう言うと変態っぽいな) あのご尊顔がっ!私の近くに、あるんだよ!?しかも着飾ってめちゃくちゃかっこいいし!!興奮せずにいられると思う!?答えは否!!
心ではこんなことを思っていても、表はあくまで社交用のお淑やかな表情を崩さない。なんとかポーカーフェイスを保って、アドラーの言葉に答えている。
「さすが第三王子と筆頭公爵家令嬢ですわ。わたくし達とはやはり違いますね」「なんてお美しいのでしょう……」「次にダンスを申し込んでみよう」「抜け駆けはいけないと思うんだが」ざわざわ。ざわざわ。
おお、またざわざわしてきましたよ。そして2番目の声、またしてもマリーちゃんなんですけど!?貴女、2番目好きなの!?けど、「なんてお美しいのでしょう」はわかるわ。本当にかっこいいもんね、今日のアドラー様!!いい感じで関係が進展しているようで、何よりです!!
けれど、「次にダンスを申し込んでみよう」って、明らかに男の人の声だったよね?どゆこと?ライラは社交界でもすごく評判悪かったって書いてあったと思うんだけど?
……あ、そっか、今の私は性格抜きにしてもダンスに誘いたいくらいは美人で優良物件に見えるんだ。あとダンス普通に上手そうだし?あれ、仮にも第三王子の婚約者なのに、誘っちゃうの?修羅場になるんじゃ?
あとでミラに聞いたら、「非常に言いにくいことですが……」と前置きをした上で教えてくれた。
前の私は非常に性格も悪く無礼だったため、いつアドラーに婚約破棄されてもおかしくない状態だったらしい。だから、第三王子の婚約者とはいえいつ婚約破棄されるかわからないような公爵令嬢だったら、ちょっと身分が下の自分でも取り込める、と思った男性が少なからずいた、ということだった。
さあ、ダンスの時間は終わった。ここからが本番だ。開会式、ダンス、会食、閉会式の順番なので、次は会食だ。あの、『あくまつ』の地獄の出会い&フラグオンパレードイベント、入学祝いパーティーの会食が、今から始まろうとしている。
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