#83:コンビと家族
他のことに夢中になると登校時間が遅れますね……
もう少し余裕をもって投稿できるといいんですけど。
「ふぅ、たくさん食べたぁ。もうお腹いっぱい、優君おんぶしてー」
天音はお腹をさすりながらそう言った。
「いや、流石に自分で歩きなさいよ」
「あはは……天音ちゃん、たくさん食べた後は少しでも運動しないと太っちゃいますよ?」
そんな彼女に対して渡会は呆れたように、美姫は苦笑しながらに歩くよう言った。
「ええっ!?それは困るよ。優君に捨てられてくないもん」
「いや、捨てはしないけど」
「でもあんまり丸くなられても困りますよね?」
小泉がニヤニヤしながら俺にそう言ってきた。何とも返答に困るところを突かれた。
「むぅ……ぐすん……捨てないで優君」
天音は目に涙を浮かべて、下から見つめてきた。上目遣いという奴だ。可愛らしい彼女にそれをやられて、これに耐えられる男がいるのだろうか。俺は不安そうにしている彼女をそっと抱きしめた。
「捨てるとかいうな全く。一生大事にするって言っただろ、まったく」
「優君」
天音は俺の腕の中でわんわん泣き始めた。
「小泉さん流石にさっきのはなかったんじゃないかしら?」
「あはは。まぁ、流石に少しからかいすぎかもね」
「うっ……その、天音先輩ごめんなさい」
「うん、何が?」
小泉の謝罪に対して、天音は真面目な顔して答えた。天音は小泉に何に対して謝られたのか本当に分かっていないのでこの反応をしているんだろう。小泉は天音がこんな反応を返してくるとは思っておらずあっけにとられている状態だ。
「い、いえ。何でもないです」
「そう?ならいいけど」
天音は首をかしげて不思議そうにはしたものの、すぐに俺の体に抱き着くような姿勢へと腕を動かした。
「天音……その、動きにくいんだけど?」
「捨てないって言ったし、これくらいいいじゃん。それとも……駄目?」
再び天音は上目づかいでそう言ってくる。美姫はため息をつくと、天音と俺の体の間に手を入れて天音が抱き着いているのを止めた。
「天音ちゃん、だけど歩くのをさぼっていいわけではありませんよ」
「えー、でも」
「じゃあ、久しぶりに特訓でもしましょうか」
「え……特訓、あれ?」
「はい、あれです」
美姫は笑顔で天音に答えた。天音はそれを聞き、真っ青な顔で震え始めた。
「嫌ならちゃんと歩いてくださいね?そうすれば、軽い運動だけにしますから」
「うぅ、分かった」
天音はそう言うと、俺の腕から離れた。それにしてもあの天音があんな状態になるなんて、あれとは一体何なんだろうか。天音ですらあの様子になってしまうのであれば、俺なんかがその特訓とやらを受けたらもっとヤバいことになるだろう。
「優也君も天音ちゃんが体験した特訓しますか?」
「いや、遠慮しておくよ」
「そうですか?特訓したくなったら気軽に言ってくださいね」
それ絶対気軽に言えないやつだよね。そう思って天音の方を見ると、彼女は全力で首を横に振っておいた。辞めておいた方がいいと教えてくれているんだろう。
「それじゃあ、私たちはここで失礼するわ」
「はい、みなさんまた。あ、渡会先輩この後隣の駅で……」
二人は俺たちに挨拶をすると、駅の方へと立ち去って行った。
「あの二人も何だかんだで仲良くなったね」
「まぁ確かに姉さんの言う通り、仲いいよな。小泉は分からないけど、渡会はクラスメイト除けば一番仲いい奴小泉なんじゃねえか?」
「うんうん。ああ見えてあの二人、結構いいコンビだよね」
「それを言ったら私たちだっていい家族じゃないでしょうか?」
「確かに!二人には負けてないぞー」
「どこに闘志燃やしてるんだ、まったく」
俺は少し呆れたようにそう言った。
「いいじゃん別に」
「まぁいいけどさ……あ」
「どうしたの、優君?」
姉さんはそう言うと、不思議そうに俺のことを見てきた。
「そういや今日親がいないから、カレーの材料買ってくるように千春に頼まれたんだった」
「カレー!?私も食べたい!」
「皆で作るの楽しいそうだね。私も参加していいかな?」
俺がそう言うと、天音と姉さんが一緒にカレー作りをしたいと言ってきた。
「ああ、千春に聞いてみるけど多分大丈夫じゃないか?」
「それじゃあ私も参加していいですか?」
「勿論だ。それじゃあ、そこのスーパーで買い物するか」
美姫も参加することになり、俺たち4人はスーパーの中へと入った。




