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#80:イチャイチャする三人と恋心をこじらせる二人

サブタイトル長くなっちゃいました。

「はい、優也君あーん」

「あ、私もやる。優君、あーん」


 俺は今天音の家で、美姫と天音にご飯を食べさせてもらった。なぜこんなことになっているのだろうか。それは今から三十分ほど前のことだ。


「優君にご褒美を上げたい!」

「ご褒美?」

「ご褒美……ですか?けど、全てのテストが終わっているわけでもありませんし、今はそれほど遊んでいる時間もありませんよ?」


 天音の言葉に美姫は困ったような様子でそう言った。


「うん、分かってる。けど、優君は一週間頑張ったわけだから、ご飯を食べさせてあげるくらいは良いと思うの!」

「……それ、天音さんがただ食べさせてあげたいだけじゃないかしら?」

「瑠璃ちゃん、しっだよ」


 天音はそう言うと、口元に指をあてて静かにするように渡会に言っていた。けど、すべて聞こえちゃってるんだよなぁ。


「まぁ、分かりました。それくらいならさほど時間も取らないでしょうし、私も優也君とのイチャイチャが足りないと思ってましたから」

「……いや、なんでドヤ顔なのよ」

「優也君成分が足りないんです!これは由々しき事態何です」

「そうだよ、瑠璃ちゃん!」

「そ、そう……それは、頑張ってね」


 渡会はそう言うと、少し憐れむように俺のことを見てきた。辞めろ、そんな目で俺を見るんじゃない!


「それじゃあ、優君あーん」

「私も、はいあーん」

「あ、あーん。うん、美味しい」

「本当ですか!?それじゃあ、今度は優也君が私たちに食べさせてください」

「え?」

「うんうん、私たちばっかりだと不公平だもん。優君、お願い」

「わ、分かった」


 俺はそう言うと、おかずを箸でつかみまずは美姫の口元まで運んだ。


「はい……あ、あーん」

「あーん……」

「どう美姫ちゃん?」

「……最高ですよ、天音ちゃん。食べさせてもらえばわかります。もう、本当に最高ですよ」

「本当に!?そ、それじゃあ……優君」


 天音はそう言うと、期待するように俺のことを見つめてきた。俺はそんな彼女の可愛らしい様子に、微笑むとさっきと同じように今度は天音の口元までおかずを持っていって食べさせた。


「……うん、本当だ!凄い、美味しい。優君もっともっとー!」

「あ、ずるいですよ天音ちゃん。私にもお願いします」

「わ、分かったから順番にな」


 俺と美姫と天音の三人は、ご飯をそれぞれ食べさせあっていた。




「あー羨ましいです。……私も先輩に食べさせてもらいたいなぁ」

「そっかそっか」

「うわっ!?明日香先輩……ひょっとして今の聞いてました?」

「うん、ばっちりあの三人以外は皆聞いてたよ」


 明日香先輩にそう言われて、周りを見渡すと温かい目で私を見てくる、渡会先輩と千春ちゃんがいました。彼女たちに聞かれたからか、自分の顔が恥ずかしさによって少し熱くなったように感じます。


「あの二人に並ばなくちゃいけないのよね」

「そうだね。私と千春ちゃんは既に思いを伝えてるから、多少は意識してもらえてるけど、二人は大変だね」

「協力できることがあったら何でも言ってください」


 千春ちゃんはそう言ってくれた。


「ありがとうございます、千春ちゃん」

「……ええ、とりあえず今はテストに集中しなきゃだけど終わったら少しアプローチしてみようかしら?」

「珍しくやる気ですね、渡会先輩?」


 私は少し驚いたようにそう言った。渡会先輩は何だかんだで奥手ですからね。かくいう私も人のことは言えませんけど。


「……そうね、いつまでもこのままは少し嫌なのよ」

「そう……ですね。私も早く、先輩に好きって言ってほしいです」

「その為にもまずはテスト頑張らないとね」

「うっ、言わないでくださいよ明日香先輩」


 突然の明日香先輩の言葉によって、現実を思い出させられました。


「ごめんごめん。でも頑張ろ、あと数日だからさ?」

「はい」


 とりあえず、今は勉強しますか。私たちはお弁当箱を片づけて、イチャイチャしている三人を置いて、一足先に教科書を広げました。


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