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#56:服のお披露目会

服のお披露目会になります。

彼女たちが来ている服は一体!?

 あれからしばらく、正面の部屋で待機していた。やがて、俺のスマホに美姫からもう入ってきていいという連絡がきた。


 俺は彼女の部屋の前で、立ち扉をノックした。すると中から、美姫の入っていいという声が聞こえたので扉を開けた。そこには可愛らしい動物をモチーフにしたフード付きの服をかぶっている六人の少女がいた。


 美姫は犬、天音は猫、姉さんは狐、小泉はウサギ、千春はリス、渡会はネズミだろうか。それらの服を彼女たちは完璧に着こなしていた。


「どうでしょうか、優也君。その……似合ってますか?」


 美姫が恐る恐るといった感じで、俺にそう聞いてきた。他のメンバーも恐る恐るといった感じで俺の方を見つめてきた。


「ああ、皆似合ってると思う。可愛いよ」


 俺がそう言うと、突然皆が恥ずかしそうにそっぽを向いた。え、何かまずいこと言ったか俺。そう思っていると、天音が俺の方を見て言った。


「優君にそう言ってもらえて嬉しい。この猫の格好結構恥ずかしいけど、優君が喜んでくれるならいつでも着る……にゃん」

「……にゃん?」

「えっ!?あ、ううん何でもない」


 聞き間違いでなければ絶対に今語尾ににゃんを付けていた気がする。チラッと俺は美姫の方を見ると面白かったか腹を抱えて笑っていた。恐らくにゃんと言った方がいいと吹き込んだ犯人は美姫だろう。というか、大体こういう男の心を狙ってくるような言葉を天音が言うときはほぼ美姫の仕業だ。仕草はまぁ、天然な所も当たりするんだけどね。


「先輩先輩」

「え」


 俺がそんなことを考えていると、小泉がウサミミを俺の顔に当てながら体を密着させてきた。


「うふふ、どーですか先輩?可愛い可愛い後輩ちゃんが先輩だけのためにウサギの服を着てあげましたよ」

「私の尻尾も堪能してほしいな」


 すると反対側から、狐の服を着た姉さんが俺に抱き着いたきた。彼女は尻尾を持つと俺の背中になぞる様にしたきた。その為か、背中が少しくすぐったい。


「あ、ずるです。私もお兄ちゃんに見せたいんです」


 千春は頬を膨らませながらそう言うと真正面から俺に抱き着いてきた。リスの服装をしながら、そんな感じに頬を膨らませると、本物のリスが食べ物をたくさん抱えているようにも見える。妹ではあるんだけど、正直滅茶苦茶可愛らしい。

「ふふふ、どうですか優也君。私がチョイスした服は?」

「美姫ちゃんは、語尾にワンって付けないの!?」


 美姫が千春の後ろから俺にそう聞いてきた。それに対して、美姫が語尾をつけていないことに気づいた天音が突っ込む。


「私がやってもそれほど効果はありませんよ。天音ちゃんが言うから効果があるんです」

「そ、そうかな?……えへへ。どう思う優君?」


 天音はそう言うと、俺に聞いてきた。相変わらず彼女の素直なところは良いと思うんだけど素直すぎるというか。ここは美姫にも少しいたずらしてみよう。


「まぁ、俺は美姫が語尾を付けるのも見てみたいけどな」

「だよね、優君!?美姫ちゃん、やってよ!」

「いや、それは恥ずかしいので……」

「私にやらせたんだから、美姫ちゃんもやって」


 天音がそう言うと、美姫は渋々「分かりました」と言った。


「優也君に可愛いと言われて嬉しいワン……恥ずかしいですね、これ」

「きゃー優君聞いた!?美姫ちゃん、可愛い」


 天音はそう言うと、美姫に抱き着いていた。


「どういう状況よ、これ。大体、何で私はネズミなのかしら?」

「どうかしたか、渡会」

「いや、猫とか犬とかウサギとかは分かるんだけど、ネズミって。月田君はこれも好きなのかしら?」

「え。そのネズミの服を着た渡会可愛いと思うけどな」

「か、かわっ!?ふ、ふん……それならいいのよ」


 渡会は俺が可愛いと服のことを褒めると、恥ずかしそうにそっぽを向いた。


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