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#50:バレーボールコートの最先端技術

一体全体、どこの家の地下にこんなものがあるんでしょうか。


「それでは軽く運動でもしましょうか?」

「そうだね、優君何したい?」

「室内球技で無難なところを行くなら、バレーとかバスケとかになるんじゃないか?」

「そうね。私はどちらかというとバレーの方がまだいいかしら。バレーは相手コートまで行く必要ないから楽なのよ」


 別に相手コートに行かないからって楽かどうかと言われれば、それはまた違うと思うんだけどなぁ。ガチでやればどんな球技だって疲れるだろう。


「えー私はバスケの方が好きです」

「私もバスケかな。走り回るの楽しいもん」

「私はどっちでも良いよ。まぁ優君と触れ合える機会があればどっちでも構わないよ」

「私もどちらでも構わないですかね。強いて言えば、バレーボールですかね?」


 姉さんのせいで意見が真っ二つに割れた。俺はどっちがいいのだろうかと多い、考えていると突然美姫の部屋の扉が開かれた。


「ごめんなさい遅れました」

「千春ちゃんようこそ」

「あ、千春ちゃんだー!待ってたよ」


 妹である千春が遅れて合流した。本当なら俺たちと一緒に行く予定だったんだけど、家事の手伝いとか色々やることがあったらしく終わってから合流するということになっていた。


「それでお兄ちゃん、何の話をしてたの?」

「ああ、これからバスケかバレーのどっちをやろうかなって話になってるところだ」

「両方やればいいんじゃ?そんなにガチでずっと何てやらないだろうし」


 千春がそう言うと、天音や小泉が驚いたような表情を浮かべた。


「確かにその手があるね!」

「先輩、ひょっとして千春ちゃんは天才ですか!?」


 まぁ少し考えれば思いつくことだろう。だけど、あんまりその発想は頭の中になかったな。確かにガチでやるわけではないからそんなに長時間ずっと同じ球技をやり続けるというのも飽きが生じてしまうだろう。




 その後の話し合いの結果で先にバレーボールから行うことになった。軽く試合をするという感じになりそうだ。まず参加者は勿論全員だ。渡会は運動自体は嫌いだが、体育ではなくみんな楽しむことを目的としているからそれほど嫌というわけでもないらしい。


 俺と美姫と天音、それから姉さんと千春と渡会と小泉の7人が参加者なんだけど、どうしても人数差が出てしまう。そこで運動神経などを考慮して、チームが振り分けられることになった。



「頑張ろうね、優君」

「ふふふ、これで決めたら優君に合法的に抱き着けるわけだね」

「はぁ」


 三人のチームは俺と天音とそれから姉さんだ。勿論天音の運動神経がいいことも知っているし、頼りにしている。だが、もう一人はなぁ……


「何でため息をついているの?これでも私は強い方なんだけど」

「知ってるよ。でもプレイがをあるたびに身の危険を感じそうだからね。ため息の一つや二つ吐きたくなるよ」


 俺たち三人は七人の中でも運動ができる上位三人だろう。天音は言わずもがな、姉さんも運動神経はいい。というか、学校では文武両道の完璧な生徒会長と呼ばれるくらいだ。美姫もそんな感じだが、姉さんは美姫と比べると運動よりな感じがする。


「優君、明日香ちゃん頑張ろうね!」

「ええ、勿論。負けるつもりはないから」

「ああ」


「優君、天音ちゃん、明日香さん。正々堂々と頑張りましょう」

「ああ」

「うん、負けないよ!」

「偶にはお姉さんとしてのカッコいいところを見せないとだしね」

「あのー審判って誰がやるんですか?」


 俺たちが真ん中で挨拶をしていると、小泉があたりをきょろきょろと見渡しながらそう言った。体育館に入る前に、美姫が入口なようなパネルを操作すると、中央にネットが現れていた。そしてゲームをする前にコートの広さを指定していた。


「それについては大丈夫です。自動で行われますので」

「自動でって、うわ!?」

「お、驚いたわ。こんなものまであるのね」


 モニターが表示された。そこにはスコア画面が映し出されていた。


「ボールの落下地点は赤いランプがついて、自動的に判定されます。最後に触った人もちゃんとカメラで確認されているのでブロックアウトとかでもしっかり機能します」



 美姫がそう言うと、渡会と小泉が驚いたような表情を浮かべていた。そりゃあ、家の地下の体育館のような場所にそんな機能までついてるとは思わないもんな。俺は苦笑いしながら、驚いている二人を見ていた。



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