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#40:嫉妬とは

来週の月曜日と火曜日は投稿をお休みします。(まぁ元から毎日更新のつもりはありませんが、ここの所毎日更新をしているため報告させていただきます。)

土曜日、日曜日は投稿する予定です。

「まさか天音ちゃんに抜け駆けされちゃうとはねー」

「抜け駆けって……折角二人きりになれたから少し甘えたかっただけだもん」


 姉さんに揶揄われると、頬を真っ赤に染めながら抗議している天音。しかし、それに迫力はなく俺に言わせてみればむしろ可愛いだけであった。


「天音お姉ちゃん中々大胆ですね」

「むぅ、皆して私のこと揶揄ってぇ。そんなに言うなら、もっと優君に甘えるもん」


 天音はそう言うと、俺に抱き着いてきた。そんな天音を見て、三人の様子は二つに分かれた。既に俺の彼女である美姫は、そんな天音を微笑ましいものを見ているような様子だった。しかし、俺の仮彼女である千春と姉さんは、不貞腐れたような表情を浮かべていた。


 美姫はともかくとして、千春と姉さんの状況はなんとなく分かる。俺たちは別に正式に付き合っているわけではない。仮彼女という名前が印象強いが言うならば、親族以上恋人未満と言った関係だ。

 自分自身が確実に付き合えるかどうか分からない状況で、好きな異性が他の女の子とべたべたしていたらそりゃあ嫉妬の一つくらいあるだろう。二人と付き合うことでその嫉妬の感情が収まるかどうかといわれれば、それはまた別問題だけど。


 とはいえ、俺も美姫や天音が他の男とイチャイチャしているところを見たくはない。美姫に告白する前、俺は美姫が誰かとイチャイチャするところを想像するだけで胸が苦しくなっていた。実際には、毎日のように一緒にいたからそんなことはしてないとは思ってはいたけどね。


「優也君何か難しいことを考えてますか?」


 考え事をしていたのが表情に出てしまっていたのか、美姫が不思議そうに俺の顔を覗き込んでそう言った。


「いや……人間の感情って難しいんだなぁと」

「急にどうしたの、お兄ちゃん?」


 俺がそう言うと、千春が困惑した表情を浮かべて俺にそう聞いてきた。まぁ、確かにいきなりこんなことを言ってもなぁ。


「いーや、嫉妬って難しいんだなぁって」

「……嫉妬ですか?」

「いやみんなはさ、俺が他の女の子とこうやって触れ合うことに対して嫉妬とか起きないのかなぁって?」


 俺がそう言うと、美姫がすぐさま反応した。


「私はないですかね。天音ちゃんがいる手前、一人だけ優也君の彼女になろうとは考えませんでしたね」

「私も皆で一緒にいたいもん。でも……偶には二人きりの時間も欲しいけど、それさえあれば幸せかな」

「私はお兄ちゃんと元々結婚できないからね。それにお姉ちゃんたちといると楽しいからさ」


 美姫と天音と千春の三人はそれほど嫉妬している様子はなかった。俺はチラッと姉さんの方を見た。


「う~んそうだなぁ。優君が他の女の子とイチャイチャしてたら多少は嫉妬するかな。でも奪いたいっていうか、傍にいたいって感じだからなぁ」

「あ、それ分かる!私も優君の傍にいたいもん」

「天音ちゃん落ち着いて。まぁ優君が私のこと彼女にしてくれて愛してくれるって言えばまぁ嫉妬しないかなぁ」

「そういうもんなのか?」

「まぁ私の場合は、可愛い妹分たちと争いたくないっていうのが大きいかなぁ」


 姉さんはそう言うと、三人のことを見た。多分姉さんのことだから、争っていた場合真っ先に身を引いてしまうような気がする。だけど、多分この状況になったら諦めないだろうなとも同時に思う。


「まぁ、私は諦めないけどね。ほらほら優君、お姉ちゃんが甘やかしてあげますよ」

「あっ、ずるーい。私もお兄ちゃんの彼女にしてもらうんですから」


 そう言うと、二人は俺に抱き着いてきた。目の前に美姫と天音という可愛い彼女が二人もいるのにかかわらず、千春と姉さんに抱き着かれて少しドキドキしてしまっている。もしかしたら俺が二人に彼女になってほしいとお願いするのもそう遠い未来ではないのかもしれない。

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