#37:千春への報告
「お帰りなさい、お兄ちゃん」
「ああ、ただいま千春」
部屋に戻ると、既に俺の部屋に先客がいた。妹の千春だ。彼女は、ベットの上に寝ころんでいた。しかし、俺が部屋に入るとベットから慌てて飛び起きて、ベットに座った。
「それで、千春は俺のベットの上で何をしていたんだ?」
「えー内緒。だってそれを言ったら恥ずかしいからね」
どうやら恥ずかしいことをしていたらしい。こう表現されると別の意味を考えてしまうが、俺が扉を開けたときに人の布団の匂いを嗅いでいる所を目撃してしまっていた。実の妹のそんな仕草に少し戸惑いながらも、向こうは気づかれていることに気づいてないみたいなので見て見ぬふりをすることに決めた。
「そういえばお兄ちゃん、今日は美姫お姉ちゃんたちは?」
「ん?ああ、母さんと何か少し話があるらしいけど」
「そっか、なるほどね」
美姫たちが来るまでの間、千春とお互い他愛のない話をして盛り上がった。
「お邪魔します、優也君」
「おじゃましまーす、優君。あ、天音ちゃんやっほー」
「あ、天音お姉ちゃん。昨日ぶりですね」
「うんうん、そうだねー」
天音と千春はそう言うと、手を取り合ってきゃっきゃっとじゃれあっていた。そんな二人の可愛らしい光景に俺と美姫はついクスっと笑った。これから千春にも報告をするわけだが、変にかしこまるよりは全然いいだろう。
様子を伺っていた美姫が、天音にそろそろ言った方がいいじゃないかと天音に言った。当然何のことか知らない、千春は首を傾げた。
「あ、あのね千春ちゃん」
「は、はい」
「私今日やっと優君と付き合えたよ!」
「本当ですか!?おめでとうございます天音お姉ちゃん」
「ありがとー千春ちゃん」
そう言うと再び天音は千春に抱き着いた。抱き着かれた千春は少し照れながらも何かひらめいたような表情をしていた。
「それじゃあ、次は私の番ってことですね、お兄ちゃん」
「え、千春さん?」
今の千春の発言に引っかかった俺は、つい千春のことをさん付けで呼んでしまった。
「仮彼女の一人である天音お姉ちゃんが彼女になれたんだから、私もチャンスあるよね?」
「ちょっ、千春」
千春はそう言うと、天音から離れて俺の胸に飛び込んできた。美姫や天音ほど大きくはないものの、十分な大きさを誇る胸が当たっている。
「兄妹仲睦まじくしている所、申し訳ありませんが私もイチャイチャに参加させてください」
「あ、ずるい。私も参加する!」
美姫が正座をして、俺の左腕を絡ませた後俺に体を預けてきた。そして、それを真似するかのように反対側から美姫と同じことをした。
「ふふふ、どうですか優也君」
「みんな優君のことが大好きだからね」
「お兄ちゃん、私もお兄ちゃんの彼女になって見せますね」
正面に千春が、左に美姫、右に天音の美少女三人に囲まれてこれ以上の幸せが果たしてあるだろうか。しかも、全員俺に好意を寄せてくれており、内二人は俺の彼女、千春も仮彼女という彼女一歩手前みたいな状態だ。
そんな彼女たちが、俺をドキドキさせるためにこうやって密着してくる。ああ、幸せだ――そう思っていると、突然真後ろから声がした。
「面白いことしてるじゃん。お姉ちゃんも混ぜてねっと」
突然後ろから抱きしめられた。この声は、姉さん!?
「あれ、姉さん!?」
「たまたま用があって来てみれば……三人だけで楽しんでずるい」
そう言うと姉さんは俺の後ろから抱き着いてきた。




