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#32:イチャイチャしながら朝食

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「あ、おっはよー優君起きてる?」


 朝騒がしい声と共に、俺の意識が呼び起された。俺は目をこすりながらも、俺の上に乗っかっている人物のほうを向く。


「……姉さん?」

「うん、おっはよー優君」

「おはよう姉さん……じゃなくて、何で姉さんが俺の部屋にいるんだ?」


 俺が彼女にそう聞くと、姉さんは首を傾げて不思議そうな表情を浮かべた。


「だって私昨日優君の家に泊ったじゃん」

「まぁ、確かにそれはそうだけど、だからって起こしに来る理由はないでしょ?」

「まぁそれはお姉ちゃんからの愛って言うか?まぁ、美姫ちゃんと天音ちゃんの許可はもらってきたから大丈夫だよ」


 一体どこが大丈夫なんだろうか。彼女持ちの年下幼馴染の寝室に早朝から押しかけてくる生徒会長がどこにいるのだろうか。あ、目の前にいたわ。俺は目の前にいる従姉の美少女生徒会長様に促されて渋々起きるのだった。




「おはようございます、優也君」

「あ、おっはよー優君」

「ああ、おはよう。美姫、天音」


 リビングに行くと、テーブルの上に既に朝食が並べられていた。そして、キッチンの方からエプロン姿の美姫と天音がやってきた。


「これってもしかして……二人が作ったのか?」

「私も作ったんだよ、お兄ちゃん」


 キッチンの方から、ひょこっと顔を千春が出してそう言った。


「もう、本当に大変だったんだから。美姫お姉ちゃんはともかく、天音お姉ちゃんは料理全く分からないし」

「あはは、ごめんね」

「でも楽しかったから大丈夫ですよ」

「優君に食べてほしくて、三人で張り切っちゃいました」

「……明日香姉さんは?」

「久々に疲れがたまってて、さっき起きたばっかりだったんだよ。朝の生徒会の仕事ないし、のんびり起きたってわけ」

「それは何というか、お疲れ様」

「優君。大好き―。私の癒しだー」


 姉さんはそう言うと、俺に抱き着いてきた。全く、この人は。姉さんは一人っ子で、昔から甘えてくれる弟が欲しかったと言っていた。従弟である俺がそんな彼女のターゲットにならないわけがなく、彼女に甘えさせられていた。

 昔は俺も小さかったので喜んで甘えていたんだけど、最近は恥ずかしくってね。いくら姉さんが従姉とは言えど、美人であることには変わりがない。そう思うと、少しだけ俺の心臓の鼓動が早くなっているように感じた。


「さて、そろそろ冷めないうちに食べましょうか。優也君の席は私の隣でいいですか?」

「じゃあ反対側は私が座りたい!」

「お兄ちゃんの隣は私何だけど、まぁ二人とも頑張って作ってたし仕方ないです」

「え~お姉ちゃんも隣がいい!」


 自分も朝食を作ったのに、慣れない二人が頑張ったということで隣を譲る妹と、ゆっくり起きてきていきなり俺の隣をねだる従姉。俺の隣に誰が座るかと問い詰められたので、千春には悪いけど美姫と天音に決めた。




「優也君、あーんです」


 美姫は卵焼きを箸でつまんで、俺に食べさせてきた。朝から、可愛くて美人な彼女に食べさせてもらえて幸せだ。


「あ、ずるーい。優君、私のもはい」


 天音も美姫に対抗するようにしてベーコンを箸でつまんで、俺に食べさせてきた。その間、二人は椅子を俺に近づけてきて体と体が密着していた。食べさせられる時に、時々腕に柔らかい物があたる。朝から、二人に食べさせてもらえるというこの上ない贅沢を味わえる一方で、朝から理性と戦っているのだ。


「二人ともずるーい。お姉ちゃんも食べさせたい!」

「明日香お姉ちゃん、少しは遠慮しようよ」

「ねー一回だけでいいから~……お願い。お姉ちゃんも優君を甘やかしたい~」


 姉さんが懇願するように俺に言ってきた。意地でも俺のことを甘やかしたいみたいだ。美姫の方を見ると彼女は頷いて答えてくれた。


「じゃあ、一回だけなら」

「本当に!?ふふん、あーん」


 俺は姉さんに食べさせてもらった。姉さんは従姉だけど、それでも少し気恥ずかしさを感じた。

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