表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
295/301

#294:月下の告白

リアルが忙しくなることもあり、また作品のキリもいいので、優也君たちが2年生を終わるころに、この作品の本編も完結させようと思っています。

作品内は2月の初週の日曜日という設定なので、バレンタイン、先生の話、テスト(は入れるか不明です)、姉さんの卒業式 あたりは書こうと思っています。

長いこと毎日投稿頑張ってきたなーと思いますが、完結まで走り切りたいと思います。最後までお付き合いいただける方は是非よろしくお願いします。

「月田さん。可愛い動物がたくさんいますわ」


 小百合は目を輝かせながらそう言った。俺たちは今、動物園へと来ていた。水族館はたまに行くことがあるんだけど、動物園はあまり行かない気がする。


 デートに何処に行きたいかを話して、もう少し高級なところに言った方がいいのかなとも思ったけど、小百合は気を遣わないでくれたほうが嬉しいとのことだったので、動物園を選択した。




「あ。パンダがいますわ」


 小百合はいつもの落ち着いた雰囲気とは一転して、楽しそうにはしゃいでいた。小百合ってこんな表情もするんだな。


「月田さん、こっち行きましょう」


 小百合は俺とデート場所を動物園にすると決めてから何を見たいかを事前に調べてきていたらしく、俺の手を取って色々なところを回った。俺も彼女に連れられて夢中になって、動物園の様々な動物を見学した。




 そしてあっという間に、日も落ちて空はすっかりオレンジ色に輝いていた。


「ふぅ、楽しかったですわ。久しぶりに大はしゃぎしちゃいましたわ」

「うん。小百合がいつもと違う感じだったけど、可愛かったよ」

「か、かわっ!?」


 俺がそう言うと、小百合は顔を真っ赤に染めた。


「いつもは何かおしとやかな感じだからさ、今日は小百合の可愛らしい部分を見れて良かったなって」

「うぅ……つい、はしゃいでしまいましたわ。……こんな私では嫌ですか?」

「まさか。それも含めて全部小百合の魅力だと思うよ」

「そ、それなら良かったですわ」


 小百合は顔を赤くしたまま、ホッとため息をついた。そして彼女は恥ずかしそうにしたまま、俺の胸に飛び込んできて抱きついた。


「月田様。その……」

「ああ。小百合、大好きだよ。付き合ってくれないか?」


 俺がそう言うと、小百合は驚いた表情を浮かべていた。


「元々今日のデートに行く前には答えはある程度固めてたんだけどね、今日のデートを通してより一層、小百合のことが好きになった。だからつい我慢できなくて、先に告白しちゃった。ごめんね。本当は今告白しようとしてたんだよね?」

「ふふ、そうですわ。でもまぁ、殿方に告白された方が嬉しいので、気にしていませんわ」


 小百合は俺から告白したことに対して、むしろ喜んでくれている様子だった。それなら告白して良かったと思える。


「そっか」

「そうですわ」


 俺たちは顔を合わせて、笑った。いつの間にか辺りは暗くなっていた。


「もうこんな時間ですわ。早く帰らないと行けませんわ」

「そうだな。……手、繋いでいくか」

「ふふ。そうですわね。お願いしますわ」


 そう言って俺たちは手を繋いだ。そして二人で肩を寄せ合いながら、ゆっくりと美姫の家へと歩いて行った。そんな俺たちのことを、夜空に輝く月が照らしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ