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#288:料理対決の結果と梨沙の意気込み

「よし、出来た」


 俺たちは一通り、色々な料理を作った。ちょうど同じタイミングで美姫たちも終わったようだ。


 並べられた料理を、梨沙と香音、亜里沙と茜の四人が食べていった。食べた感想としてはどちらも美味しいとのことだったので、一先ず安心した。




 そして結果発表の時がやってきた。


「いよいよだね。優君」

「そうだな」

「ふふふ。優也君たちの料理も美味しかったです」

「ええ。腕を上げたと思うわよ」


 瑠璃と美姫に褒められて、嬉しくなった。二人にそう言われて、俺たち三人で頑張ったかいがあったと思える。


「それじゃあせーので、札を上げましょうか」


 事前に用意されていた札を揚げる。表裏で色が分かれており、赤が美姫たちのチーム、青が俺たちのチームだ。


「せーの」


 香音の合図に合わせて、四人が一斉に札を上げた。青と赤はそれぞれ二つずつ。同点だった。しかし意外だったのは、俺たちのチームに表を入れたのは香音と亜里沙で、美姫たちのチームに入れたのは茜と梨沙だった。


「どっちの料理も美味しかったんですけど、私はお兄様たちのチームの料理の方が温かみがあって美味しかったと思いました」

「私もそうですね。月田先輩たちのチームの料理の方が、私も何か落ち着いて食べられました」


 香音と亜里沙の意見は、どちらも美味しいけど、俺たちの料理の方が家庭的であるとか、食べ慣れている物に近いからなどといった理由だった。


「お兄さんの料理に入れたいのはやまやま何ですけど、やっぱり美姫お姉さんの料理は、味にすごくこだわっていて、とっても美味しかったです」

「そうですね。瑠璃先輩に投票するのは癪でしたけど、色々な調味料を計算しつくして、いれているっぽくてとても美味しいです」


 梨沙と茜の意見は、二人の料理は完成されているというか、細かなところまできちんと考えて味付けされているということだった。


「確かに二人の料理はすごくおいしかったからな」

「私は美姫さんを真似ただけよ。最もこれでも美姫さんには全然かなわないわよ」

「美姫ちゃんがすごいだけだと思うけど」


 天音の言葉に、美姫は笑みを見せた。


「まぁ、そうですね。優也君には出来るだけ美味しいものを食べてほしかったので、幼い頃から花嫁修業として練習していたかいがあったのかもしれませんね」


 美姫にそんなことを言われて、俺の顔に熱が溜まっていくのを感じた。


「むぅ。美姫ちゃんばっかりずるい!私だって頑張ってるもん」


 天音は頬を膨らませて、不満を漏らしていた。今回はサポートだったけども、彼女が頑張っていたことも知っているので、俺は彼女に「天音も充分頑張ってるよ」と言って、頭をやさしくなでた。


 すると目の前にいた梨沙が不満そうな表情を浮かべた。


「私も美姫お姉さんに習って、料理を上達させてお兄さんをメロメロにして見せます」


 そして意気込んだようにそう言った。いや大好きだから付き合っているんだけど……って言ったら彼女のやる気を削いじゃうだろうから、黙っておくか。


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