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#201:美乃梨と梨沙はバチバチ

明けましておめでとうございます。

今年も頑張って投稿していく予定ですので、ぜひよろしくお願いいたします。

「月田さん、これみてほしいですの」

「え、うん」


 何だろう。この間二人っきりで過ごしたあの日から、南園さんがやけに俺に対して距離を縮めてくるような気がする。今までは、俺と俺の彼女が話しているところやイチャイチャしているところを一歩引いたところで観察していることが多かった。


 しかし最近はどちらかというと二人きりになろうとしてきたり、恋人の真似のようなことをお願いされたりすることが多くなった。


「み、南園さん?」

「むぅ。折角恋人ごっこをしているんですから、美乃梨って下の名前で呼んでほしいですの」


 南園さんは俺に腕を絡めるようにしながら、そう言ってきた。南園さんはもう少し自分がかわいいってことを自覚したほうがいいと思う。俺は何人も彼女がいるけど、彼女に抱きつかれていると胸がドキドキする。


 まるでそう、初恋の様に……って、俺は美姫や天音たちがいるんだ。この思いを自分から外に伝えるわけにはいかないし、伝わるようにしてはダメだろう。そう思って、俺はなるべく平常心を保とうとしていた。


「うーん。あんまり、ドキドキしていなさそうですの」

「俺には恋人がいるから……」


 ご、ごめんなさい嘘です。滅茶苦茶ドキドキしています。心臓が破裂しそうなくらいにはドキドキさせられています。だからそろそろ離れてください。しかしそう思う俺の気持ちは彼女に届くことはなく、彼女は更に抱きついてきた。


「あー何をしているんですか!」


 するとそんな元気な声がした。


「お兄さんから今すぐ離れてください」


 梨沙はそう言うと、俺と南園さんの間に入って離した。その瞬間南園さんの表情が少し寂しそうなものへと、変化したような気がしたんだけど気のせいだろうか。


「えへへ~お兄さん」


 そんな南園さんをよそに、梨沙は俺に抱き着いてきた。


「お兄さん。頭を撫でてください」

「わ、分かったから落ち着いて」


 梨沙は興奮気味に俺に迫りながらそう言ってきた。俺は彼女を何とか落ち着かせた後、彼女の頭をやさしくなでた。


「やっぱり最高です、お兄さん」

「ぐぬぬ」


 南園さんは何故か歯ぎしりしていたんだけど、前の彼女だったら喜んでいた気がするんだけど。う、うーん?


「私だって負けませんの」

「ちょっ!?」

「あっ!?」


 俺と梨沙の叫びもむなしく、南園さんは梨沙を少し押しのけて抱きついてきた。梨沙も対抗するように抱きついてきた。そして二人に抱きつかれている状態になった。


「あれ?」

「あっ、美姫。ちょっと助けてくれ」


 ちょうどいいところに美姫が来た。少し苦しいので離れてほしいんだけど、今のこの二人に直接言っても聞いてくれそうにないので駄目だろう。そう思って彼女に助けを求めたんだけど……


「ふふっ、私も混ざりますね」


 美姫はそう言うと、後ろから俺に抱きついてきた。


「ちょっ、美姫さん?」

「ふふふ、大好きです優君」


 後ろから柔らかい感触が押し寄せてくる。すると左側から対抗するように柔らかいものを押し付けられた。


「むぅ、お兄さん美姫さんばっかり見てないで、私のことも見つめてください」

「私の方も見てほしいですの!」


 さらに右側の腕にも同様に、南園さんが更に体を密着させてくる。結局俺が解放されたのはそれから十五分後くらい経った後、偶々姉さんが用事で俺の部屋に入ってきた時だった。

 


 翌日、何処で知ったのかは不明だが、天音と茜と千春に同じことをされることになるなんて、この時は思ってもみなかった。


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