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#195:ビーチバレー

「優君遊びに行こ―!」


 朝食を食べた後歯磨きを済ませて、部屋へと戻った。しばらくはのんびりしていたんだけど、やがて天音が走ってきてそう言った。


「いいけど、また泳ぐのか?」

「うーんとね、ビーチバレーをしてみたいなって思ったんだけど、どうかな!?」

「いいんじゃないか?楽しそうだし」

「やった!決まりだね」


 俺が面白そうと彼女に伝えると、天音は嬉しそうに、はしゃいでいた。それじゃあ早く行こうと言わた。そして彼女に連れられるようにしてビーチの方へと向かった。


 ビーチの方へと向かうと、昨日まではなかったはずのネットが張られており、ちょうど姉さんが足でコートを作っていた。


「あ、明日香ちゃーん!」


 天音が姉さんを呼ぶと、彼女はこちらに気づいたのか笑顔で手を振っていた。


「ボールを持ってきました」


 遅れるようにしてボールを持った美姫と、その他メンバーが集まってきた。


「ビーチバレーなら特典を取った時にお兄さんに、抱きついたりできますね」

「いや、楽しむところそこじゃないと思うけど」


 梨沙は俺のことをじっと見つめながらそう言った。すると、千春が呆れたように、俺の気持ちを代弁してくれた。


「と、とりあえず私は応援しているわね」


 俺と美姫と天音と姉さんと千春vs梨沙と香音と茜と北園さんと南園さんのチームに別れて試合をすることにした。ちなみに瑠璃にも参加するように皆が言っていたんだけど、疲れるから見ているだけにするそうだ。ビーチバレーは通常2vs2で行われるものらしいけど、今回は皆で楽しむことが目的なので、5人ずつで行うことにした。


「勝負をするからには負けませんの!」

「ああ、正々堂々勝負だ」


 南園さんは闘志を燃やしながら俺にそう言ってきた。


「負けませんよ。勝者は敗者に、一つ命令をできる権利があるのでお兄さんには色々してもらうんです!」

「え?そんな約束ないよな、美姫?」

「いえ、ありませんけど」


 梨沙がいきなりそんなことを言い出すものだから、美姫に聞いてみたけど、彼女も初耳といった様子だ。

「気にしないでください、お兄様。勝手に言ってるだけですから」

「そ、そうか」


 香音にそう言われて、俺はほっと一息ついた。


「負けませんからね、お姉様」

「うん、勿論だよ。私たち幼馴染の力見せつけるからね!」


 香音と天音もお互いにやる気らしい。


「幼馴染パワーは負けフラグってことを見せて差し上げますの!ねぇ、小百合?」

「え。わ、私を巻き込まないでほしいわ」


 南園さんがそう言うと、北園さんが困ったようにそう言った。そんな会話を聞いていた美姫が微笑んだ。


「それが間違いってことを証明して見せますね」


 美姫は二人に対して、それだけ言うと、サーブをする場所まで移動した。




 事前のじゃんけんの結果により、俺たちボールからのスタートだ。


「それでは行きますよ。幼馴染が負けるなんて言葉はひっくり返して見せます!」


 美姫はそう高らかに宣言すると、サーブをした。彼女のサーブしたボールは凄い勢いで、ラインすれすれ内側の地面に落下した。


「は、早すぎて見えなかったんだけど」

「う、うん」


 あまりの落下速度に、味方である俺と天音も――いや、美姫以外の全員が驚いていた。結局一セット目は美姫が15本サービスエースという快挙を成し遂げてしまった。


「ふふふ、どうでしたか?幼馴染は負けませんよ」

「そうでなくっちゃ、盛り上がりませんの」


 美姫と南園さんはそう言うと、お互い不敵な笑みを浮かべていた。お互いの論点が少しずれているのは気のせいだろうか?ちなみに、この後はそのまま俺たちが逃げ切って勝利した。


「ま、参りましたの」

「ふふ、幼馴染パワーを甘く見ていましたね?私たちの幼馴染パワーは凄いんですから」

「そうだよ!」


 美姫と天音は自慢げにそういった。個々の能力が高すぎるだけなのではと思ったが、俺がそのことを口に出すことはなかった。


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