#190:美姫とご飯作り
お風呂に上がって、その辺で適当に時間をつぶしていた。
しばらくした後、着替えを終えた皆と合流した。皆はワイワイと騒ぎながら、部屋へと向かっていた。うん?
「美姫?」
「はい。どうかしましたか?」
美姫の表情が、心なしか楽しそうに見えた。そのことを伝えると彼女は少し驚いたような表情を浮かべた。
「やっぱり分かるものなんですか?北園さんと南園さんのお二人と、友達として接することが楽しいなって思ったんです」
「そうか」
「ふふ。あ、勿論私にとっての一番は優也君で、次が天音ちゃんですからね」
美姫は微笑みながら、さも当たり前と言わんばかりの表情を浮かべた。そう言ってくれるのはうれしいけど、美姫は俺たちといることにこだわりすぎてたようにも思えるから、彼女たちとより仲良くなれたなら、それは良いことなんだろう。
「さてと、優也君行きますよ。皆さんに置いていかれちゃいますよ?」
美姫はそう言うと、俺の手を取った。そのまま手をつないだ状態で、俺たちは他のみんなを追いかけた。
「さぁ!みんな張り切っていくよー!」
天音がそう言うと、皆で「おー!」と叫んだ。
「……美姫さん?」
「改まって、どうかしましたか優也君?」
美姫は不思議そうに俺のことを見てきた。
「外でカレーとかを作るのって、山でキャンプをしているときとかのイメージがあるんだけど」
「まぁまぁ、良いじゃないでか。思い出作りとしては最高だと思いますよ?」
「ま、まぁそれはそうかもしれないけど」
「さてと、私たちも始めちゃいましょうか」
俺と美姫は野菜を切る係になった。美姫は慣れた手つきで、野菜を切り始めていた。
「やっぱ、凄いな」
「そうですか?練習すれば、これくらい誰にでもできるようになりますよ?」
「そういうものなのか?」
「私は優也君のお嫁さんになりたい一心で練習しましたからね」
「そ、そうか。それはありがとな」
俺がそう言うと、美姫は嬉しそうに微笑んだ。そして彼女は持っていた包丁を置くと、俺の後ろに立った。
「それじゃあ、私が後ろで支えながらコツをお教えしますね」
「わ、分かった」
最初は、美姫に腕を動かしてもらいながら感覚をつかんでいき、徐々に彼女が何もしなくなっても、出来るように教えてもらった。
「こんなところでしょうか?」
「う、うーん。分かったような、分からなかったような。とりあえず料理を作るのが大変だってことは改めて感じたよ」
「そうですね。私も初めて料理作りに挑戦した後は、凄く感じましたから」
俺たちは顔を見合わせて、微笑みながら会話をしていた。
「あー。私が水を汲んできている間に、イチャイチャしてるー!」
「お、お姉様!?落ち着いてください」
すると、水を汲んできた天音が俺たちを見て少し叫ぶようにそう言った。よく見ると頬をぷくっと膨らませていた。
「優也君。私たちの作業は終わりましたし、天音ちゃんと少し一緒にいてあげてください」
「う、うん。天音」
天音は不貞腐れた表情を見せつつも、俺が彼女の手を取ると嬉しそうな表情を浮かべた。
「優君を独り占め~。えへへ~」
天音はそう言うと、肩と肩を密着させながらそう言った。
「やけにご機嫌だね」
「うん。今優君と二人きりだからね。皆と一緒に優君とイチャイチャするのもいいけど、偶には二人っきりでイチャイチャしたいもん」
天音はそう言うと、俺の正面に立って抱きついてきた。俺はそんな彼女をやさしく抱きしめた。やべぇ、天音もやっぱ可愛いな。
「うん、どうかしたの優君?」
天音は俺の腕の中からジッと、俺のことを見上げるようにして見てきた。そんな彼女の可愛さに、俺の心臓はバクバクと激しく音を立てていた。




