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#188:南園さんのお風呂場ウオッチング!

 セバスさんから水着を受け取った後、俺は着替えてお風呂に入った。シャワーを早く浴びたかったんだけど、美姫たちが洗いたいからということで洗わないように待ってて欲しいと言われた。


 とはいえそのままは嫌だったので、体を軽くシャワーのお湯で流しておいた。




「お兄さーん!」

「ちょっ、梨沙。落ち着いて。風呂場で走ったら、転んじゃうよ?」

「お兄さんに早くお会いするためです」

「でも、駄目なものはダメだよ。可愛い梨沙が怪我をするのは見たくないからね」

「……っ。お兄さんがそういうなら、もう走りません」


 普段はあまりこんなこと言ったりしないんだけど、梨沙には普通に注意するよりもこっちの方が効果があるだろう。梨沙は顔を真っ赤にしながらも、そう言ってくれた。




 少し遅れて、皆が入ってきた。


「月田君、前を向いて頂戴」

「今日は私たちが、先輩の体を洗いますね先輩」


 瑠璃と茜がそう言った。北園さんと南園さんを除いて、皆が名乗り出てくれたらしいんだけど、普段中々一緒に泊まったりすることのできない瑠璃と茜を優先しようと美姫が言ったらしい。




「うぅ……何も起きませんでしたの」

「いや。そりゃあ、体を洗うだけですからね」

「何を期待していたのかしら?」


 体を洗うのが梨沙だったら、何をされていたかは分からなかったけど、茜とるっりがそつなくこなしてくれたおかげで、何事もなく体を洗ってもらった。若干一名、悔やんでいる人はいたけど。


「それじゃあ、先輩。一緒に湯船に入りますよ」

「う、うん」


 茜は嬉しそうにそう言いながら、俺の手を取って湯船の方まで移動した。これに対抗したのか、瑠璃は俺の反対側の手を取った。先ほどまで落ち込んでいたはずの南園さんは、いつの間にか俺たちが向かっている、湯船に足だけを入れながらこっちを見ていた。


「え、えっと……」


 茜が困ったように、南園さんの方を見た。


「私のことはお構いなくですの」

「いえ、こちらを凝視されると、流石に気にしてしまうのよ」


 目を輝かせてそう言う彼女に対して、瑠璃が呆れたように言った。


「全く。美乃梨、迷惑をかけてないでほしいですわ。あっちに行きますわよ」

「ちょっと、小百合!?まだ観察は終わってないんですのー」


 南園さんは北園さんに引っ張られて、露天風呂のある外エリアの方へと向かった。


「行ったわね。というか、彼女は一体何がしたいのかしら?」

「恋愛を知りたいとか言ってましたけど」

「私たちのそれは普通のとだいぶかけ離れているから、参考にはならないと思うのだけれど」


 瑠璃は困ったようにそう言った。


「あー。普通のは恋愛漫画とか小説とかで読み飽きたらしい。それで今は、イレギュラーな俺たちに目を付けたんだとか」

「そ、そうなのね」

「それならば理解できるような……できないような?」


 茜は首を傾げながらそう言った。


「無理に理解しようとしなくて大丈夫だと思うのだけれど」

「まぁ、趣味は人それぞれだからな」

「でもコロっと、先輩の魅力に惹かれたりしないか心配です」

「確かに。それは心配ね」


 二人はそう言うと、俺のことをじっと見つめてきた。別に俺にそんな魅力があるとは思ってないんだけどな。


「それはないと思うけど」

「先輩ですからね」

「月田君だからあてにはしてないわよ」


 二人はため息を吐きながらそう言った。



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