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#187:殿方と一緒にお風呂など、はしたないですわ!

サブタイトルはちょっとふざけました。

偶にはこんな感じでもいいのかなと思ったり。

 スイカを食べ終えた後、俺たちは美姫の家の別荘へと戻っていた。


「折角だから、皆でお風呂入ろ―!」

「あ、いいですね。それ」


 俺と北園さんと南園さんの三人で少し話をしていると、天音と美姫が何かを話していた。彼女たちを中心に他のメンバーも集まっており、皆何かに納得している様子だった。


「皆さん何を話していたんですの?」

「海に入ってきた後何で、シャワーを浴びるついでに皆でお風呂に入ろうという話になってまして」


 南園さんの質問に対して、千春がそう答えた。


「というわけで、お兄さん行きますよ!」

「えっ、ちょっ!?」


 すると梨沙が突然俺の手を取ってそう言った。この光景に俺も驚いていたのだが、北園さんと南園さんも驚いていた。


「えっと。月田さんも一緒に入るんですの!?」

「それなら、私たちは遠慮しておくわ」

「いや、俺は入るつもりはなかったけど」


 俺は困ったように美姫を見た。


「そうですね。……例年は一緒に入ってはいるんですけど、今年はそうもいかないですね」

「本当ですの、月田さん!?」


 目を輝かせて俺のことを見る南園さんに対して、北園さんはどういうことだと言わんばかりの表情を浮かべていた。


「俺は毎年遠慮しようとはしてるけど、天音とか梨沙が一緒に入りたいって聞かなくってな。まぁ、天音も妹みたいなものだって思ってたから、特に違和感なく入ってたかな。まぁ、美姫のことが好きって分かってからは、気が気じゃなかったけど」

「それだから月田様は天音様のことを妹みたいだと思っていたんですわね」


 北園さんが少し呆れたように言った。そんなやり取りをしている間、南園さんは何かを考えていた。


「分かりましたの。それでは私たちも皆さんとご一緒しますの。勿論月田さんも一緒ですの」

「は、はぁっ!?」


 北園さんが珍しく焦った様子でそう言った。まぁ、それが普通の反応だよな。南園さんが付き合ってもいない俺と同じお風呂に入ろうとしているんだから、驚くのも無理はないだろう。


「美乃梨。貴方、付き合ってもいない殿方と……その同じお風呂に入るなんて、はしたないですわ!」

「あまり褒められたものとは言えないのかもしれないんですの!」

「だ、だったら」


 北園さんは必死の形相で、南園さんが俺と一緒にお風呂に入らないように説得していた。


「これでも私、月田様を信用しておりますの」


 南園さんは俺の方を向くと、ニコッと微笑んでそう言った。


「仕方ないですわ。こうなった美乃梨は止められませんわ。勝手になさい。私は……」

「分かりましたの。月田さん、私たち二人も一緒に入りますの!」

「えっ!?ちょっと私は入らないですわ」


 南園さんが嬉しそうに俺にそう言うと、北園さんが焦ったようにそう言った。


「私はしっかり言いましたの。私たち二人は……と」

「い、いや……その、私は」

「神無月さまと裸のお付き合いも出来る絶好のチャンスですの」


 南園さんは北園さんにコソコソと何かを囁いていた。その言葉を聞いた彼女は少し悩んだ表情を浮かべた。


「……って、別にそれは女子同士の時に行えばいいですわ!」

「でもそれだと月田さんがかわいそうですの」

「いや、俺なら……別に」


 俺のことは気にしなくても……そう言いかけた俺を南園さんが止めた。


「それに、これはまさに理想郷ですの。どんなハプニングや、恋愛チックなことが怒るのか実際に確かめたいんですの」

「貴方、それが狙いですわね」


 北園さんが呆れたようにそう言った。


「分かったわ。私が行かないとなると、美乃梨が暴走しそうだし、私も入るわ。その代わり水着で入るわ」

「それではそういうことにしましょうか。とは言え、流石に海で泳いだ水着で入るわけにはいきませんので、予備の水着を着てはいることにしましょう。優也君はセバスから受け取っておいてください」


 美姫はそう言うと、女性陣を引き連れて更衣室の方へと向かった。


「……というか、お風呂かぁ。未だ彼女たちと一緒にお風呂に入るのは慣れていないんだけど、あの時みたいに倒れたりはしないよな?」


 これからのことを、北園さんとは別の意味で、一人で不安に思っていた。


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