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#183:瑠璃と浮き輪デート

「優君。えーい」

「うわっ!?やったな?」


 天音に手を引かれて、海に入った。そして彼女は手を離すと、俺の顔をめがけて水をかけてきた。俺は彼女に水をかけ返すと、天音は楽しそうに笑っていた。


「楽しそうですね、お兄さん」

「え?ああ、うん」

「二人とも何してるのー、えいっ」

「きゃっ!?やりましたね、天音お姉さん」


 俺に話しかけていて、完全に無防備な状態の梨沙に、天音は水を飛ばした。梨沙はやり返しと言わんばかりに、水を天音に飛ばしまくっていた。


「……少しは落ち着いたらどうかしら?」


 するといつの間にか俺の後ろに立っていた瑠璃が、呆れるように言った。


「ま、まぁ良いんじゃないか?夏休みに入ってから宿題ばっかりで皆疲れてるだろうし、思いっきり羽を伸ばしても」

「……それを言われるとそうなのかしら?私は夏休みはずっと勉強をしていたから、あまりどう過ごしていいのか分からないのだけれど」


 少し自虐を交えながら言う瑠璃に対して、俺は彼女を抱きしめた後頭をやさしくなでた。すると彼女は頬をピンク色に染めた。


「ななな……何をするのかしら!?」

「いや、本当に大変な人生を歩んできたんだなって思って」

「嘲笑っているのかしら?」

「まさか。俺の大事な彼女に、楽しい夏を過ごしてほしいそう思っただけだよ」


 俺がそう言うと、瑠璃の顔は先ほどよりもさらにハッキリと赤くなった。そんな彼女の手を取って、浮き輪のところまで移動した。


 置いてある浮き輪を取ると、俺は一緒に入った。


「恋人同士で一緒に入ると、楽しい……らしいよ?」

「それは何処情報なのかしら?」


 瑠璃は呆れたようにそう言った。別に瑠璃と二人きりの空間でイチャイチャしたいと思って言ってみただけで、特に理由はない。ただ、まぁ二人で一緒の浮き輪に入ってイチャイチャしたら楽しそうだとは思ったけど。そんなことを知ってか知らずか、渡会はため息を吐くと恥ずかしそうにしながらも浮き輪の中に入った。


「入らないのかしら?」

「入るよ」


 瑠璃に促されるようにして俺たちは浮き輪に入った。そして、そのまま海に入った。




「こうしてくっついていると、月田君の体温を感じられるから良いわね」

「それは良かったよ」


 二人で一つの浮き輪に入りながら、海水面に浮かんでいた。瑠璃は俺に抱き着きいているので、彼女の柔らかい部分が押し付けられるような形になっていた。平静を装って入るけど、内心はバクバクだ。


「月田君こっちを向いて頂戴?」


 恥ずかしくて顔を背けていると、ふいに瑠璃が俺のことを呼んだ。俺は彼女の方を見た。


「うん?……っ」


 するとその直後、俺の唇に柔らかいものが触れた。そして、目の前には瑠璃の綺麗な顔が、普段の凛々しさとは別で、恥ずかしがっている状態の彼女の顔が正面にあった。キスが終わってしばらく見つめ合った後、突然、瑠璃は顔を背けた。


「る、瑠璃さん?」

「い、言わないで頂戴。ここにいられる間に、もっと距離を縮められるように応援されたのよ」


 瑠璃は顔を真っ赤にしながらそう言った。あー……そういうことか。


「美姫に言われた?」

「え?確かに美姫さんに言われたけれど……」

「なるほどな。まぁ、別に俺も皆とイチャイチャしたいけど、無理する必要はないからな?」

「そう。でも、月田君と恋人っぽいことをしてみたいのは確かだから、無理しない程度には頑張っては見るわね」


 そう言うと、自分の言ったセリフが恥ずかしかったのか顔を真っ赤にしながら、俺の胸に顔をうずめた。


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