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#178:香音の告白

 先ほどから香音は顔を真っ赤にしながら、腕を腕を絡めてきた。


「か、香音?」

「な、何も言わないでくださいお兄様」


 香音は恥ずかしそうに言った。普段ならこんな態度を見せないので、どうしていいか困るな。俺の反対側の手をつないでいる天音が不思議そうな表情を浮かべた。


「あれ?優君と香音ちゃんってそんなに仲良かったっけ……?」

「え、いや……」

「めめめ、滅茶苦茶仲がいいですよ!?」


 仲が決して悪いわけではないんだけど、天音の件であまり良くは見られてはいないと思う。天音の恋敵とでも思われてそうだからね。そんなこともあって否定しようとしたのだが、俺の声は香音によってかき消されてしまった。


 否定する香音だったが、相変わらず顔は真っ赤であり、滅茶苦茶テンパった様子だった。この娘は一体どうしちゃったんだろうか?もしかしたら体調が悪いのかもしれない。そう思って、美姫に視線を送る。


 すると彼女は横に首を振って、気にするなと言わんばかりの視線を送ってきた。……多分だけど。


「ま、まぁ。仲良いんだったら良かったよ。昔は二人とも仲良かったのに、最近はあんまり仲良さそうに見えなかったからさ……その、私が原因なのかなって思っててさ」


 天音は苦笑いをしながらそう言った。


「い、いえ。それはお姉様のせいではありません!」

「でも香音ちゃんって……その私のことが好きって言ってたじゃん。だから、それで喧嘩しちゃってるのかなーって」


 天音は困ったように続けた。天音からしてみれば、俺たちの仲を悪くさせちゃった原因に自分自身がなってしまったように思えるのだろう。


「それは違います。確かにお姉様のことは好きです。大好きです!」

「う、うん」


 香音が詰め寄るようにしてそう言った。天音は肩をビクッとさせると、俺の後ろに隠れた。香音はそんな天音を気にせずに、何故か俺のことを真っすぐ見つめてきた。


「でも。そんなお姉様と同じかそれ以上にお兄様のことが好きです」

「……へ?」

「え?」


 香音の突然の告白に、俺と天音は思わず呆けた声を出してしまった。


「お兄様は嫌っていたわけじゃなくて……その、お兄様を前にすると恥ずかしくなってしまって」


 香音は体をモジモジとさせて恥ずかしそうにしている。


「あれ、でも私の時はそんな感じじゃないよね?」

「はい。お姉様といるときは逆で、凄く落ち着けるんです」

「別に落ち着いてはいないだろ」


 俺は香音に呆れたようにそう言った。俺のそんな言葉に香音はムッとした表情を浮かべた。しかし、すぐに元の表情へと戻した。


「後、お姉様とお兄様がイチャイチャしているところを見ると……その胸が特にモヤモヤしてきちゃって」


 香音は胸元に手を当てながら言った。俺が美姫や他の娘とイチャイチャしている時は、特に何も思ったりはしないらしい。少し苦しそうにそう言う香音を見て、天音は目を輝かせた。そして香音のことを抱きしめた。


「お、お姉様!?」


 驚く香音をよそに、今度は俺と香音をまとめて抱きしめた。


「優君、香音ちゃんは私たち二人のことが好きってことだよね!?」

「ま、まぁ……そうなんじゃないか?」

「えっと……その、はい」


 香音が俺の言葉に肯定すると、より一層目を輝かせた。


「これはひょっとして私たちの子供と言っても過言ではないんじゃない?」

「いや、何でそうなった」

「それは私も嫌です」


 嬉しそうに言う天音に対して、頬を膨らませながら香音が抗議していた。


「わ、私はお兄様の彼女になって、お兄様とお姉様と一緒にイチャイチャしたいです」


 香音は恥ずかしそうにしながらも、俺のことを真っすぐと見つめてそう言った。


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