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#175:甘やかしたい人と甘やかされたい人

昨日の昼頃に投稿されたものはミスです。

昨日のお昼ごろに前話を見た方は、内容が変わっていますのでご注意ください。

「あ、いたいた」

「あ、お姉様。お話は終わりましたか?」


 梨沙を抱きしめてからしばらくの時間が経過した。瑠璃からの相談を聞き終えた天音が、部屋に戻ってきた。


「うん。香音ちゃん、見張りありがとね」

「は、はい」


 天音が香音にそう言うと、香音は嬉しそうにそう言った。そんな彼女の様子はまさに恋する乙女のようである。香音は本気で天音のことが好きなんだろうな。まぁ、その天音は自分で言うのもなんだけど俺一筋みたいだけど。


「優君~」

「ああっ!?」


 天音はそう言うと、俺に抱き着いてきた。いつの間にか俺が抱きつかれたことに驚きの子を上げた梨沙だったが、すぐに反対側から俺のことを抱きしめた。


「ふふふ。相変わらずですね」


 遅れるようにして美姫が部屋に入ってきた。俺に抱き着いている梨沙と天音を見ると、彼女は微笑ましいものを見るような笑みを浮かべていた。


「あれ?瑠璃は?」


 先ほどまで彼女は、二人と相談ごとがあるからと別の場所に行ったはずだ。しかし、今相談役の二人は戻ってきているが、彼女の姿が見えない。


「瑠璃さんなら何か準備があると言って、千春ちゃんの所に行っていましたよ?」

「そ、そうか」


 瑠璃が千春に用って何だろうな?千春にも、美姫と天音に相談したことをしているのだろうか?そんなことを考えていると、俺たちを見た。


「あ、そういえばさっきまで三人は何してたの?」

「私がお兄さんとイチャイチャしていました」


 天音の質問に対して、迷うことなく梨沙が答えた。しかし、答えた直後もったいぶるようなしぐさを見せた。


「?……どうかしましたか?」


 天音は「そっかそっか」と言っていたが、美姫はいつもと違った様子の梨沙に気づいたようで、どうかしたのかと聞いていた。


「そうですね。それと、香音ちゃんがお兄さんに興味を持っていたようなので、甘やかされる練習をしてもらってました」

「なっ!?」


 美姫に聞かれた梨沙は、ニヤニヤとした表情を浮かべながらそう言った。唐突にそう言われた香音は驚いたような表情を浮かべた。しかし、すぐにムッとした表情を浮かべると反論を始めた。


「それは違います。お兄様に甘やかされている梨沙ちゃんが幸せそうな表情をしてたから、私もお姉様に同じことをするために体験しただけです」


 梨沙の方を向いて頬をプクゥと膨ると、今度は天音の方を向いてアタフタとした表情を作りながら話していた。


「でも。それなら私は優君にしてもらいたいかな……」

「そ、そんな」


 天音が少し困ったように、苦笑いを浮かべながらそう言うと、香音はショックを受けたとばかりに呆然とした表情を浮かべていた。すると今度は天音が、先ほどの香音のように慌て始めた。


「優君にしてもらった後だったら……いいよ?」

「本当ですかお姉様!」

「う、うん」


 天音が渋々と言った感じでそう言うと、香音は一瞬のうちに満面の笑みを浮かべていた。いや、切り替わり早いな。そんな彼女の圧に天音も押されていた。


「そんなに幸せなら今度私にもやってくださいね?」

「ああ」


 そんな二人をよそに、天音は興味津々と言わんばかりの表情を浮かべて俺にそう言った。美姫とイチャイチャするときは、手をつないだり、横から抱き着かれたり、ハグをしたりすることはあるけど、後ろから抱きしめてあげたりといったことは余りしたことがない気がする。


 後日俺は、梨沙にやってあげた後ろから抱きしめて頭を撫でて甘やかすということを、美姫にもしてあげたのだった。それを偶々勉強を休憩していた姉さんにも見つかって彼女にも同じことを要求されたのだった。


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