#15:天音
天音ちゃん回です。
あ、改名しました。
翌日、俺たちは天音の家に遊びに行っていた。
「お、お邪魔します」
「お邪魔します」
「あ、美姫ちゃん、優君いらっしゃーい」
「ご無沙汰してます」
「こんにちは」
天音の家に行くと、彼女のお母さんが出迎えてくれた。天音のお母さんって凄く可愛らしい人だよな。一児の母とは思えないほどで、知らない人から見れば天音のお姉さんと言われても信じてしまうレベルである。
「あ、優君に美姫ちゃん。早く私の部屋に行こー!」
すると天音のお母さんの声に反応したのか、家の中から天音が走って出てきた。
「あら、天音。もう少し二人と話したかったのに。特に優君とは」
「お母さんと優君を二人きりにさせたくないもん!ほら、優君行くよ」
天音はそう言うと、玄関で俺に靴を脱がせた後すぐに俺の手を引いた。
「まったくもう。優君は私のお母さんにデレデレしない」
「いや、別にしてないけど」
「本当かなぁ」
「私的には優也君が彼女にしたいのであれば構いませんよ?」
「私が複雑だからお母さんだけはやめて」
「天音ちゃんがそこまで言うなら……仕方ありませんね。彼女はあきらめましょう」
「……いや、別に天音のお母さんを異性として好きって一言も言ってないんだけど」
というか天音のお母さんまで、俺の仮彼女にしようと考えていたのか?何か放っておくと美姫が仮彼女を知らぬところで増やしてきそうだ。とは言え、そもそも俺なんかに惚れてくれる人がそんなにいるとは思ってないからあまり心配はしてないが。
「優君駄目だからね?私じゃなくてお母さんを選んでポイするのは」
「ポイって何だよ。ポイって。そんなことしないよ」
「優也君はそんなことしませんよ」
「でもだって、お母さんの方が綺麗だし、料理だっておいしいし」
天音はそう言うと、落ち込んだ様子を見せた。天音は普段は明るい性格だけど、時々こうやって激しく落ち込んでしまうことがある。どうしようかと思い美姫の方を見ると俺の方を見て何か合図を出してきた。これは、俺に解決してほしいということだろう。
俺は天音のことを抱きしめて、頭をそっと撫でた。
「ゆう……君?」
「料理はこれから練習するんだろう?誰も初めからできるわけじゃないし、そもそも俺は天音の明るくてみんなに気を遣える優しい性格が好きだから!。だから、そんなことぐらいで捨てたりしないよ」
「優君~」
天音はそう言うと、俺の胸に飛び込み泣きじゃくっていた。
「解決ですね」
「ああ。まぁ、そうだな」
「優也君今のプロポーズみたいでしたね」
「なっ!?いや、今のは幼馴染としての好きって意味だから」
「そうでしょうか?『みんなに気を遣える優しい性格が好きだから!』って友達に言いますかね?普通」
「いやいや、それはだな」
何て言ったらいいんだろうか。そう思っている俺の腕の中にいた天音が顔を俺の胸から離した。
「優君。私を一人の女の子として見てくれないの?」
目に涙を少し浮かべ、上目づかいで俺のことを見ながらそう言ってきた。うっ、滅茶苦茶可愛い。
「あーもうとっくに女の子として見てます。異性としても好きです。これでいいか?」
「本当に!?」
「うん、まぁそうだね」
「ふふふ良かったですね天音ちゃん。後は彼女として認めさせるだけですよ」
「ありがとう美姫ちゃん。私頑張るからね」
「はい、応援してますよ。協力できることがあったら言ってくださいね」
「うん」
ついうっかり天音のことを異性として好きだと言ってしまった。彼女に告白された日以来、ずっと心の中で思ってたことをいざはっきりと口に出してしまった。俺の彼女の美姫は二人目の彼女に天音がなることを応援すると言っているし、俺の中でも少しずつだけど覚悟が決まってきたような気はしている。
ただ、本当にその選択をして後悔しないのか。俺はまだ分からない。もう少し考えたうえで選択したい。それに、もし仮に天音とも付き合うならちゃんと気持ちを伝えよう。俺は心にそう誓った。
優君の陥落までもう少し?




