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#149:二人からの追求

 二人はジッと俺たちのことを見つめてきた。彼女たちと付き合っているわけではないけど、浮気を疑われているような感じがする。今までのことを説明するべきか、俺がそう悩んでいると美姫が間に入った。


「そうですね。優也君には私以外にも何人か彼女がいます。その娘もそうですね」

「何人か……ってことは他にもいるんですの!?」

「月田さん。貴方って人は見そこないましたわ」


 北園さんが軽蔑するような視線で俺のことを見ていた。反対に南園さんは驚きが強いといった様子だ。


「優也君のために弁解しておくと、最初は私とだけ付き合うつもりでしたよ。そもそも彼女を複数作る様に言ったのは私ですから、気にしていませんよ?優也君にも最初は断られていましたからね」

「でもそれって神無月さまには何もメリットがないんじゃないはずだわ」


 北園さんが美姫に抗議するように言った。


「いえ、私にもありますよ?そうですね……いくつか利点があるんですけど、一番はこの娘――天音ちゃんと離れ離れになりたくないっていうのはありますね」

「天音さんを……ですか?」


 南園さんが訳がわからないと言わんばかりに首を傾げた。


「天音は俺たちの幼馴染みだ。他にも幼馴染はいるんだけど、同い年ってこともあって毎日のように三人で遊ぶ仲だ」

「そうですね。それで優也君はその中で私のことが好きになり、最終的に告白してくれました」

「ええ、それは言ってましたわね」

「それは本当ですの!?」


 二人は、美姫がパーティで言ってたことすら、あまり信じられなくなってしまっているらしい。美姫は首を縦に振った後、再び話をつづけた。


「そして私たちは付き合うことになった……というのが優也君の当時の状況ですね。天音ちゃんのことは当時は妹みたいな存在だとしか思っていなかったんですよね?」

「ああ、そうだな」

「それは……その娘が少しかわいそうになってきますわ」


 北園さんが俺のことをジト目で見てきた。う、うん。これに関しては非情に申し訳なく思っている。付き合った当時は滅茶苦茶幸せそうな表情をしてくれたけど、最近この話が話題に上がると、若干拗ねてしまう時がある。


「ただ……その、私たちって自分で言うのもなんですけど、凄く仲が良くて……二人と一人に別れると多分どっちも駄目になっちゃうんじゃないかなって。優也君は分かりませんけど、少なくとも私と天音ちゃんはかなり心に来ていたと思います」

「まぁ、翌日から避けられたら心に来るよな」

「それに優也君を慕っている娘が多いのも知っていましたから。遅かれ早かれこうなっていたとは思いますよ。それに私と将来結婚して会社を継いでいくうえで、愛人くらいいてもいいのかなって思ったので、私が天音ちゃんと付き合うように勧めました」

「と、とりあえず色々とぶっ飛んでいるのは分かりましたわ」

「……美姫さんはそれでいいんですの?」


 南園さんは、言葉を絞るようにして言った。恐らく会社のためとか、幼馴染のためとかそういったものを優先して、自分の心を犠牲にしていないかという意味で聞いているんだろう。


「はい。先ほども言いましたけど、天音ちゃんがいないと寂しいのは私も一緒ですから。それに……他の娘たちとも仲は良いんですよ?」


 美姫はそう言うと、二人が先ほどまで見ていた写真を取って彼女たちに見せた。


「改めてみると、確かに仲良さそうですの」

「……あ、思い出したわ。この天音っていう娘……東条様のパートナーとして出席していた人に似ている気がしますわ」


 北園さんは鋭いな。俺が少し驚いていると、美姫が爆弾発言を落とした。


「そうですね、本人ですから」

「「……え?」」


 二人の声が綺麗にはもった。

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