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#147:二人の訪問

パーティの際に出てきた二人の少女が再登場します。

「ふぅ、少し緊張してきた」

「まぁまぁ。二人も私たちと仲良くなりたいと思って来てくださっているんですから、そんなに緊張しないでください」


 今日はこないだのパーティで、新しく美姫の友達になった二人が美姫の家に遊びに来るらしい。天音たちは今日は俺の家で遊んでいるらしい。念のために、俺の部屋には入らないようにっておいたんだけど、梨沙とかが問答無用で入っていそう。まぁ別にみられて困るものがあるってわけでもないから、滅茶苦茶気にしているってわけでもないんだけどね。




「お久しぶりですわ、神無月様」

「お久しぶりですの神無月さん」

「お久しぶりです、お二人とも」


 美姫と二人の少女は手を取り合って、感動の再開みたいな様子で盛り上がっていた。挨拶が終わると、二人は俺の方へと視線を向けた。


「月田様もお久しぶりですわ」

「あ、えっと……お久しぶりです」


 俺は未だに少し緊張した様子で答えた。すると、相手の女性はクスっと微笑んだ。


「そう緊張なさらないでほしいですわ」

「そういえば自己紹介をまだしていなかったですの。私は南園 美乃梨ですの。よろしくお願いします。月田さん」

「私は 北園 小百合ですわ。よろしくお願いしますわ月田様」


 二人はそう言うと、俺に手を差し伸べてきた。


「俺は月田 優也です」


 向こうは知っている様子だったけど、面と向かって名乗るのは初めてであったので名乗った。二人とも微笑んでくれたし、判断としては間違っていなかったのかな?


「それでは、今日は私の家の色々な施設を案内させていただきますね」


 美姫は俺の手を取ると、二人にそう言った。別に手を握る必要はないんじゃないかと思っているんだけど、二人が俺たちを理想のカップルとして見ている以上、彼女たちの前でもそのようにふるまったほうがいいんじゃないかと、事前に美姫が俺に提案していたのだ。


「ふふふ、お二人は本当に仲が良いんですわね」

「そうですね。私と優也君は幼い頃から、何をするにしてもずーっと一緒にいましたからね。優也君がいない生活だなんて考えられません」

「それは素敵ですの!月田さんもそうなんですか?」

「え。あー……そうですね。俺も美姫がいない生活は考えられません」


 俺がそう言うと、二人は俺と美姫のことを羨望の眼差しを向けてきた。ま、まぁ俺も美姫も嘘は言っていない。美姫の言う、幼い頃からずっと一緒にいたのも本当だし、俺の美姫がいない生活が考えられないというのも本当だ。


 彼女たちに入っていないが、真実としては美姫と同じくらい天音や千春や姉さんがいない生活も考えられないというところだろうか。


「お二人はそ、その……プライベートでキスとかはもうしたんですの?」

「ちょっ!?流石にそれを聞くのは失礼ですわ」


 南園さんが直球的な質問をぶつけてきたのに対して、北園さんはそれを止めようとしていた。北園さんに言われて、南園さんも申し訳なさそうな表情を浮かべていた。


「も、申し訳ありませんですの。プライベートなことですから、無理に聞き出そうとするのはマナー違反でしたの」

「気にしないでください。ここでは礼儀もきちんとする必要はありませんよ」

「そうですね。ここには俺たちしかいないので楽にして大丈夫ですよ」


 俺たちは申し訳なさそうにしている南園さんに対して、フォローを入れた。


「先ほどの質問に答えておくと、キスはもう何度もしています」

「ちょっと美姫さん!?」

「良いじゃないですか。パーティの際にもう見られているんですから」

「それはそうだけど」


 美姫に話させると赤裸々に話すような気がする。


「毎日のようにしていますね。優也君とキスをすると、とっても幸せな気分になるので、よくおねだりしています」


 美姫がそう言うと、二人が黄色い悲鳴を上げた。


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