#116:四人目の彼女とお祝い
「好きだ、千春。いつも優しくて、俺が困ったときに……傍に寄り添ってくれてる千春が大好きだ」
「うん、私もお兄ちゃんが大好き!こんな私でよければ付き合ってください」
千春はそう言うと、嬉しそうな表情を浮かべて俺に抱き着いてきた。俺はそんな彼女の腰に手を回す。
「お兄ちゃん」
千春は目を潤わせるような表情で、何かを期待するような目で俺のことを見てきた。俺はそっと彼女に顔を近づけると、唇にキスをした。
キスを終えると、彼女は恥ずかしかったのか頬を桜色に染めていた。そして、今度は千春の方からキスを求めてきた。ちなみに、千春からのキスは中々離してくれなかったんだけど、幸せだからまぁいっか。
「何をしてるんだ?」
「美姫お姉ちゃんたちに報告をしてました」
「へぇ」
グループチャットのような場所でメッセージを共有していた。メンバーは美姫と天音と姉さんがいるらしい。三人ともすでに反応が帰ってきていて、祝福のメッセージが送られてきた。
「あ、美姫お姉ちゃんたちが今からお祝いをしてくれるみたいだよ?」
「本当だ」
どうやら美姫が、夕食のついでに赤飯やケーキなどで俺たちのことをお祝いしてくれるらしい。
「あはは、私たちのためを思ってくれてるのかな?」
「まぁ、それじゃあ後で一緒に行こうか」
「うん!楽しみだなぁ」
千春は嬉しそうな表情を浮かべて、美姫の家でのお祝いにワクワクしている様子だった。
「おめでとうございます、千春ちゃん」
「おめでとう千春ちゃん」
「おめでとう」
「ありがとうございます、皆さん」
千春は三人からの祝福の言葉に嬉しそうな表情を浮かべてそう言った。
「ようやく優君も姉妹の壁を打ち破れたんだね」
「あーまぁ、うん。千春と相談して、色々と吹っ切れたような感じっていうか。まぁ、勿論千春のことも大事にするけど」
「それは私たちのことも大事にしてくれるってことかな?」
姉さんはそう言うと、ニヤニヤしながら俺のことをじっと見てきた。そう見つめられると恥ずかしいんだけどなぁ。
「当たり前だろ。その覚悟すらなかったら、天音の告白の時の美姫の最初の提案だって断ってたからな」
「優君……えへへ」
俺の言葉を聞いて、天音は俺の胸に飛び込んできて嬉しそうに頬ずりをしてきた。
「はいはい、天音ちゃん。今日の主役は千春ちゃんですから、いったん離れてください」
「はーい」
美姫に言われて、天音はすっと俺から体を離した。
「うわぁ、凄いごちそうだぁ」
「いつの間にこんなに用意したんだ?」
「以前から計画はしていたんですけど、折角なら私たち四人が優也君の彼女になってからがいいかなと思いまして」
「うんうん、私と美姫ちゃんで計画してたんだよ」
天音はそう言うとニッコリと笑って見せた。
「そっか、ありがとな二人とも」
「は、はい。どういたしまして」
「う、うんありがとう」
俺は二人の頭をなでてあげると、う二人とも恥ずかしいのか少し視線をそらされた。
「むっ。私も一応後からだけど企画には参加したんだからね?」
「うん、姉さんもありがとう」
「あっ……ありがとう」
姉さんも頭をなでてほしそうだったので、撫でると嬉しそうな表情を浮かべた。
「それじゃあ、早速ご飯にしましょうか。今日はごちそうですよ」
「本当に!?」
「美姫ちゃんの家の食事って私たちからすると普段からご馳走なんだけどなぁ」
姉さんが苦笑いを浮かべながらそう言った。
「まぁ、今日はお赤飯とかおめでたいことに関するものを作らせましたので」
「なるほどねぇ。それなら確かにそう言えるかもね」
「みんな早く食べようよ!」
「そうだな」
俺たちはみんなで仲良く夕食を取った。茜の件がどうなるかは分からないけど、将来こうやって一緒に食事を毎日のように取る日が来るんだよなぁ。少し先の未来のことを想像しながら、皆との夕食を楽しんだ。




