#102:昨日アクセサリーを買った……?
サブタイトルは適当です。
「おはよー!明日香ちゃん!」
「おはようございます明日香さん」
「おはよう姉さん」
「うん、みんなおはよう」
翌日、俺と美姫と天音はいつも通り俺の家の前に集合して、姉さんが少し遅れてやってきた。今日は生徒会の仕事はないらしく、四人で登校することになった。
「あれ……?」
「うん、どうかしたのかな天音ちゃん?」
「明日香ちゃん新しいヘアゴム買ったんだー?」
「そういえば確かに見たことないものですね」
「あ、うん。昨日買ったんだー」
姉さんは天音たちに見せるように後ろを向いた。チラッと彼女が俺の方に視線を向けてきた。どうやら早速、昨日買ったものをつけてきてくれたらしい。本当は気に入っていなかったらどうしようと少し考えもしたが、どうやらその心配はなさそうだ。とはいえ買った翌日に、つけてきてくれるとは思っていなかったけど。ちなみに姉さんは白熊のアクセサリーがついたヘアゴムをつけていた。
「うんうん、凄く似合ってるよ!」
「そういえば前から気になっていたんですけど、同じ場所で購入しているんですか?」
「うん。お気に入りの雑貨屋が駅前にあってね。今度二人にも案内してあげるね」
「本当に!?ありがとー明日香ちゃん」
天音は、はしゃぐように喜んで姉さんに抱き着いていた。姉さんは少し頬を赤らめながらも、天音の頭を優しくなでてあげていた。
「朝から仲良しだなぁ」
「……それじゃあ私たちもイチャイチャしましょうか」
隣にいた美姫が俺に手を差し出してきた。俺はそんな彼女の手をそっと取った。ここにいる三人とも幼馴染で、彼女なんだもんなぁ。
「何だか幸せだよなぁ」
「そうですね」
美姫はそう言うと、体を密着させるように近づいてきた。まさかこの後にあんなことが起ころうとは思ってもいなかった。
姉さんと別れてから、三人で教室に入った。
「おはよー瑠璃ちゃん!」
「おはよう天音さん。美姫さんと月田君もおはよう」
「おはようございます」
「おう、おはよう」
俺たちはいつも通り何気ない会話で盛り上がっていたんだけど、ある人物が教師にかけるように入ってきた。それが問題だった。
「おはようございます」
「あ、瑠璃ちゃんおはよー……って髪結んでるんだ。初めて見たかも」
「うん。昨日買ったやつ試してみたんです」
「昨日買ったやつですか」
「美姫先輩どうしたんですか……?」
美姫は振り返って、俺の方をじっと見つめてきた。
「うん、どうかしたの美姫ちゃん?」
「いえ、天音ちゃん。明日香さんも茜さんも昨日買った新しいヘアゴムをつけてくるということは……優也君何か知ってますね?」
美姫はじっと俺のことを見てきた。そういえば彼女たちには言ってなかったな。
「実は昨日俺と姉さんと渡会と小泉の四人で、姉さんのおススメの雑貨屋ってところに放課後買い物をしに行ったんだ」
「やっぱりそういうことですよね」
美姫はクスっと笑った。しかし目は笑っていないような感じがした。隣にいる天音も頬をプクッと膨らませて、拗ねている。
「むぅ、優君が私の頑張ってる姿見たいっていうから頑張ってるのに…ずるい」
「まぁ、そうですね。今度優也君がそのお店に案内してくれたら……許してあげます」
二人は不機嫌な様子を見せながらも、何処か期待するように俺のことを見てきた。可愛らしい彼女たちの頼みを断ることなどできない。それに確かに、二人に少し悪いような気もするし。
「あ、それと今日は罰として天音ちゃんの練習を見に来てくださいね」
「はいはい」
「罰はともかく……それはいいかも!優君が見ててくれたら、もっと頑張れそう!」
「俺が一人で見てたら変なやつじゃないか?」
「大丈夫ですよ。私たちといつも一緒にいることは周知の事実ですから」
美姫と天音は良くも悪くも目立つから、一年生の間にも知れ渡っているんだろうなぁ。未だに俺が隣にいても告白してくる人もいるし。美姫たちと比べて存在感のない自分に対して、ため息を吐いた。




