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タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


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第6章 5 夜の図書館

 夕食と入浴を済ませると、私はナイトウェアの上にガウンを羽織った。そしてランタンに火をともし、父から借りた図書館の鍵をポケットにしまい、部屋を後にした。

窓から見える月明かりに照らされた図書館へ続く長い廊下を歩いていると、屋敷の警備兵に遭遇した。まだ年若い警備兵は私を見ると驚きの表情を浮かべる。


「アイリス様・・・・このような夜分に一体どこへ行かれるのですか?」


「ええ。図書館へ行きたいのよ。」


すると警備兵は言った。


「いくら屋敷の中とは言え・・・このような夜更けに出歩くのは危険です。どうかお部屋にお戻りください。」


そして頭を下げてくる。けれど・・夜更けと言ってもまだ夜の9時になったばかりだ。決して夜更けとは言えない時間帯だと思うのだが・・。だから私は懇願した。


「そんな事を言わず、行かせて頂戴。お願い、1時間で構わないから。」


すると警備兵は言った。


「1時間ですか・・・それでもこのような夜分に・・。」


警備兵は少しの間、試案しているようだったが、やがて言った。


「分かりました。1時間だけですよ?それ以上はご遠慮ください。」


「ありがとう。それじゃ・・・・。」


警備兵の前を通り抜けると、なぜか彼までついて来る。


「あの・・?どうかしたのかしら?」


「アイリス様。もう一つ条件がございます。私も図書館の中までご一緒させて

頂きます。おひとりで行かせるわけには参りません。」


「え・・?そ、そうなの?」


「はい、左様でございます。」


まあ・・・でもついてきてもらった方が心強いのは確かだ。


「それではよろしくお願いするわ。」


「はい、お任せ下さい。」


そして私と彼は一緒に図書館へと向かった―。



 イリヤ家の図書館は天井がドーム状に丸くなっており、全てガラス張りになっている。この空間は満点の星空や夜空に浮かぶ月が見え、とても幻想的な場所であった。一緒に中に入ってきた護衛の警備兵も感嘆の声を漏らす。


「これは・・・美しい景色ですね・・・。」


「ええ、本当に・・・。」


2人で少しの間、幻想的な夜空を見上げていたが、いつまでもこうしていてはいられない。私は早速本を調べ始めることにした。取り合ず今日は邪神についての記述本が無いか調べてみよう。私は早速『目録』のカードがしまわれている棚へと向かった。

 イリヤ家の図書館の目録の書棚はとても大きい。書棚には小さな引き出しが沢山ついており、そこに蔵書の名前や棚番号が記されている。私はそこから邪神に関する本が置いていないか、ランタンをかざして目録カードを探した。護衛の兵士も手にランタンを持ち、目録カード探しを手伝ってくれている。


「う~ん・・・なかなか見つからないわ・・・。」


ひょっとするとイリヤ家の図書館には無いのだろうか?このまま何の手がかりもつかめないまま、本日の蔵書探しは終了になるかと思われたが・・。


「アイリス様っ!こちらへ来てくださいっ!」


私とは離れた場所で目録棚を探していた警備兵が声を上げた。ひょっとすると何か手がかりがつかめたのだろうか?

ランタンを持って小走りに警備兵の元へと向かった。


「アイリス様、ご覧下さい。」


警備兵は目録書棚の引き出しを開けており、カードが見えやすいようにランタンを掲げた。


「あ・・・これは・・・。」


その引き出しに入っている目録カードは全て『邪神』にまつわる記述が記された蔵書の場所と書名が記述されていた。


「いかがでしょうか?アイリス様。」



警備兵は私に言った。


「ええ・・・そう、これよ。私が探していたのは・・・。」


私と警備兵はすぐに『邪神』についての記述がある書棚へと向かい、取り合えずアルファベットの一番若い本を今夜は1冊だけ持ち出すことにした。




 図書館からの帰りの廊下で歩きながら私は警備兵にお礼を述べた。


「どうも有難う、貴方のお陰で早く本を見つけることが出来たわ。」


「お役に立てれば光栄です。ですが・・今度からは夜ではなく、昼間のうちに図書館へ行く事をお勧めします。」


警備兵は至って真面目に言う。


「ええ、分かったわ。肝に銘じておきます。」


そして私は廊下を歩きながら窓から見える夜空を見上げながら、思った。


明日、オスカーはアカデミーに来れるだろうか・・・?と―。







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