表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない  作者: 結城芙由奈@コミカライズ連載中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/152

第1章 9 夢の中での会話

「いえ、身体は弱くは無いです。ご心配おかけしてしまい申し訳ございませんでした。」


オスカーは血の気の多い男だ。ここは下手に出ておいた方が良さそうだ。

するとオスカーは言った。


「別にお前を心配して言った訳ではない。お前の歩き方に合わせていたら入学式に遅れてしまいそうだから声を掛けただけだ。」


相変わらず機嫌が悪そうな態度で私を見ている。


「それは・・とんだ御迷惑をかけてしまいました。」


だったら私に構わずに先に行けばいいじゃないの。深々とオスカーに頭を下げながら思った。大体前回の入学式の時、オスカーとは会ってもいないのだから。

すると再びオスカーが怪訝そうな顔で私を見つめた。


「ほら、又だ。また・・・ぼーっとしている。おまけに顔色も悪い。」


「え?」


まさか・・・本当に顔色が悪いのだろうか?今だって70年前の事を思い出していただけなのに・・?


すると再びオスカーが溜息をついて私を見た。これ以上彼の機嫌を損ねる訳にはいかない。そこで私は言った。


「オスカー様。私の事はお構いなくどうぞ講堂へお先に行って下さい。これ以上ご迷惑をお掛けする訳にはまいりませんので。」


丁寧に頭を下げて言うと、オスカーはこれ見よがしに舌打ちした。


「チッ!」


そして私をチラリと一瞥ると、そのままさっさと歩きだして行く。ああ・・良かった。やっと1人になれる・・・。


私はふらふらと歩き始めたが、急に眩暈が起こり始めた。


「このまま歩いていたら倒れそうだわ・・・。」


その時、大きな木の下にベンチが置かれているのが目に入った。そうだ・・・あそこで少し休んでいこう・・。

私はベンチに向って歩き出し、ようやく腰かけた途端。急激に意識が遠ざかって行くのを感じた—。




真っ暗闇の中―


誰かの声が聞こえて来る。


<アイリス・・・アイリス・・・。>


誰・・・?誰が私を呼んでるの・・?

しかし辺りは真っ暗で何も見えない。


「誰なの?私を呼ぶのは・・・何処にいるの?」


すると今度は近くで声が聞こえた。


<アイリス・・・時間が戻った気分はどうだい?>


え・・?時間が戻った・・・?ひょっとするとこの声の主は私の事を知ってるのだろか?そこで私は声の聞こえてきた方角に話しかけた。


「あなたは誰?私の事を知っているの?」


<うん。よく知ってるよ。だってアイリスを過去に戻したのは俺だからね。今はまだ記憶の混乱が起こっていて、思い出せないかもしれないけど・・・。それにいきなり彼に会って話をしたから、アイリスの魂が驚いてしまったんだね。>


「私の魂が・・・?」


<そうだよ。でも恐れる事は無い。アイリスはもう以前の君じゃないんだ。今君は右手に指輪をはめているだろう?指輪をはめた手で心の奥を知りたい相手に触れると、相手の思考を読めるようにしたし、物に触れると、その物の過去の記憶を見る事が出来る不思議な指輪を俺がアイリスにプレゼントしたからね。これがあれば・・・君はもう二度と失敗する事は無い。>


「え?!この指輪にそんな力が・・・?!」


<そうだよ。だけど慣れないうちはあまり乱用しない方がいいよ。アイリスは今日その身体に戻ったばかりだから、まだ身体が馴染んでいないんだ。あまり強い刺激を受けるとまた倒れてしまうかもしれないからね。様子を見ながら少しずつ試してみるといいよ。>


「色々ありがとう・・・。え・・・と、それであなたの名前は・・・?」


すると声の主は言った。


<それは俺の口からは言えないな。アイリスが名前を思い出したら会いに行くよ。それまではこうして・・時々夢の中で会おう。またね、アイリス。>


そして声は聞こえなくなり・・私は意識が戻って来るのを感じた。




 目を開けるとそこは見慣れない天井だった。どうやら私はベッドの上で眠っていたようで、周りは白いカーテンで覆われていた。


「え・・・?ここは・・・?」


 ベッドから起き上がり、辺りをキョロキョロ見渡すとカーテンの向こう側から声を掛けられた。


「あ、目が覚めたの?入るわね。」


女性の声が聞こえ、カーテンがシャッと開けられた。


「気分はどうかしら?」


そこには白衣を着た若い女性が立っていた。


「あの・・・ここは・・?」


すると白衣の女性は言った。


「あなた・・・ベンチの上で倒れていたのよ。それをこの彼が発見して貴女をここへ運んできたのよ。」


いつの間にか白衣の女性の背後には人が立っていた。そして、私はその人物を見て息を飲んだ。


そこにいたのは幼馴染のレイフ・ランバートだったのだ—。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ