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6.全てが終わったその後に6


「さて、じゃあ詳しい話を聞こうか」


日が昇る前に起きて獲った魚を起こし直した焚き火に掛けながら、なるべくなんて事ないよう意識しつつ聞き出す!


フッフッフッ


勇者として培ったこの交渉術、存分に振るってやろう!


「あんたら家族が、てか君ら親子がって言うべきか。2人が純粋な人じゃない事は何となく分かったけどさ、詳細が分からんと今後の落とし所も決めれん」


残念ながら魚は1人1匹しか当たらんから軽く腹ごなししたらまたすぐ食えるモン探さんとなー


ん?


山女の身構え方が尋常じゃないな


なんか逃げそう


「どうした?」

「・・・その、人じゃないって・・・」

「ああ、そこね。君らの体はやつれてはいるが体力的にはまだ余裕がある。それは君の身振りと彼の余裕の無さからほぼ確実で、その子の事を彼は『災厄の子』と表現した。つまり細かい説明の出来ない事をしでかした、それか呼び込んだ原因だと思われて家族ぐるみで追放、それか逃げ出したと見た」


俯く子供を抱きしめて睨めつけてくる山女の様子を見るにオレの推測は間違ってないと思う


「彼がその子に関する事を知らないのは間違いない。でも君は?何か心当たり、あるんじゃない?」

「アナタは、この子の前で話せと言うのっ!」

「本来なら、ここまで追い詰められる前に出来る事があるはずだ。誰にも情報を共有せずにこの状況に陥って尚、運命を共にする家族にまで事情を伏せていた君の落ち度だ。それにその子はもう自分を受け入れなければならない時だ」



山女の言いたい事は分かる


山女は子供が成長してから話す、もしくは秘密にしたままにしたかったのだろう。


だが事態は進んでしまった。


この子はもう自分のせいで故郷を追いやられているのを理解している。


なら自分の事を知り、向き合い、受け入れる他道は無い。



「大丈夫、この子は君を見て育ってる。よく自分で守ってる宝物を見てみーよ。な?自分の子を信じるぐらい簡単だろ?」


オレに対し敵意剥き出しだった山女はまだまだ痩せこけた顔に不安と、自分の中の疑惑を自分なりに考えて覚悟して身構える我が子と見つめ合っている


やがて子と似たり寄ったりの顔で目線の高さを合わせる山女


やはり子は親に似るものなんだな


「ミリー、よく聞いてほしいの。お母さんとミリーはね、魔族と人間のハーフなの」


子供は気丈に、山女は泣きそうにその言葉を噛み締めるその姿を忘れない様に覚えておこう




この光景は多分、オレが取捨選択した一つの結末と同じなのだから

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