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2.全てが終わったその後に2

まぁ野宿なんか何回もしたし。と軽い気分で野宿しようと寝ぐらを探しに町の外に出た矢先に野営道具が無いと気付いてしまった訳だが、どうしよう・・・


このままじゃ飯も食えんしこの軽装備で野ざらしは流石に堪えるしなぁ


ーーー。


うん、結構どうにかなるかも


近くの木でナイフの投擲を練習した後に取り敢えずと森に入って食えそうな獣を探していると狐を見つける事に成功。すぐさま投擲して動きを鈍らせたらこっちのもんだ!

先端を尖らせた枝で貫き近くの川で血抜きしながらあまり得意では無い火の魔術で焚き火をおこす事が出来た。

我ながら楽観的だとは思うが芽生えた不安は既に霧散したなこりゃ

後は寝ぐらをどうすっかなぁー、とぼんやり川に出来た血のすじを眺めていると鼻に付く獣臭と同時にガサリと背後で葉が擦れる音を察知


ぅわー・・・ツイテネ・・・

まぁそうだよね、血の匂いを辿れば飯に有り付けるって知ってりゃそりゃ来るよね


咄嗟に焚き火の枝を掴み背後に向け牽制しようとした時点でお互いに固まり膠着状態となる

向こうはまるで気付かれていたかの様なオレの動きに止まってしまったし、オレは想定外の獣に火が相手に効くのか考えてしまい止まってしまった


そう、その相手は4つ足に牙を並べた獣では無く2つ足でクワを持った山男だったのだ


「なんの用だ」


先ずは目の前の存在が会話可能か確認してみるか


僅かな膠着の後、相手の反応を伺ってみると確かな思考の巡りを見せた後に


「今すぐに、ここから、立ち去れ」


とクワを振りかぶる


なるほど、相手は人間で食べるのには向いていない獲物と起こした火に価値を見出すほど物資に窮している、と


気になる視線もあるし、そうさなぁ。

うん、ここは速攻あるのみだ


仲間の一人が得意技にしてたレイピアでの突きを真似て可能な限り最速の動きで相手の目前へと薪を突き出す!


「!?熱っう、」


空中に置いておくイメージで直ぐに薪を手放し反射的に火から顔を守ろうとしてガラ空きになった鳩尾に蹴りを入れて距離を取りつつ様子を見ると蹲り悶絶中の山男から時折呻く声が聞こえてくる


うん、ちょっとやり過ぎたかも


山男が持っていたクワと火のつきっぱなしの薪を拾い山男を改めて観察すると、服は清潔とはかけ離れているも元はちゃんとした服であった事が分かる。身なりは整っておらず痩せこけた体から察するに集団生活をしておらずにその生活に限界が来ている様だ

加えてオレが血抜きしてるのは肉食の狐だ

コイツの肉は臭い上に味もしないので食用として積極的に猟る肉じゃないのはちょっと経験のあるやつなら大体知ってる事だ。そんな肉を奪おうとしてる時点で狩猟をしないのは決まりと考えて良いな

なんらかの理由で村を追われた人かな?


痛みが少し引いたのか荒い呼吸のままオレを睨みつける山男を気にするのを忘れずに、まずは立ち位置を変えてから

えーと、オレを見てる相手がいるであろう方向はコッチかなぁ?


「そっちの誰かも出てくるか逃げるかしてくんない?」


動揺と、この感じは迷ってるのかな?

やや時間を置いてから両手を上げた山男とどっこいの身なりの山女が出てきた


ふむ、この山男と上下関係としては似たり寄ったりって事は仲間か家族か、って感じかな?


「タ、助けて、下さい」


んー、なるほどなるほど

とりあえずは


「なぁ?君ら鍋とか持ってない?持ってたらこの肉使ったオレのささやかな晩飯に招待したいんだけど」


腹を満たしてからだな

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