♯7 疑惑 そして襲撃
「ハァッ…ハァッ…疲れた…」
「今日はここまでにしようか。あまり無茶をすると身体に響くからな。宿を手配してある。今日はそこで休みなさい。」
疲れた様子の生護を見てコンはそう言った。
「はい…分かりました。ありがとうございます。おやすみなさい…。」
「あぁ、おやすみ…」
こうして生護は宿へ向かった…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数時間後
【コンの家】
「ふぅ~…あんなに動いたのは久しぶりだったから疲れたな…」
「お疲れさま!それにしても生護さんすごいね!お父さんが教えた事あっという間に覚えちゃうんだもん!」
「あぁ…そうだな…」
なにやら考え込んだ表情のコン。
「どうしたの?お父さん?」
「あぁ…ちょっと気になってな…」
「気になるって…何が?」
「彼はミザレストに来て間もなく、そして剣を握ったのはさっきがはじめてだ。それなのに俺が教えた事をあっという間に覚えてしまった。能力も発現していないというし、もしかしたら…」
「もしかしたらって、まさか…生護さんが"そう"だっていうの!?」
物凄い剣幕でミコトは声を荒げる。
「落ち着け。あくまで"そう"かもしれないっていう可能性の話だ。」
「生護さんに限ってそんなことはありえない!だってそうでしょう!?もし生護さんが"そう"だとしたら、私…私…」
ほんのり涙を浮かべるミコト。
「まぁ待て。仮に"そう"だったとしても、俺たちだけは彼の味方でいようじゃないか。なにせ、彼の無邪気な姿を見てしまったからな。」
「そう…だね…。うん!」
すると… ドォーン!
なにやらものすごい音が響き渡り地面が揺れる。
「なんだ!?何が起きた!?」
「お父さん!高台の家が…燃えてる…!?」
扉を力強く開けた視線の先に燃え盛る家が見えた。
???「チッ…あーつまんねぇなぁ~。こんな辺境くんだりまで来て空振りとはな。暴れなきゃ気が済まねぇぜ。」
???「カイル、あまり無闇に目立つことするな。俺たちは"影"の人間だぞ。その存在はなるべく隠さねばならない。」
カイル「うっせぇーよベクター!俺に指図すんじゃねぇ!」
ブゥン… ブゥン…
「行けぇ!人形共!メチャクチャにしちまえ!」
カイルは黒い人型のなにかを2体呼び出し、けしかけた。
ベクター「やれやれ、しょうがないな。俺は先に戻るぞ。」
ブゥ…ン ネックレスに触れるとベクターは消えた。
カイル「ヒャアッハッハッハ!壊れろ!全部壊れちまえ!」
カイルはなんの躊躇いもなく人々を襲いはじめた。