♯3 情勢と能力《スキル》
「…なるほど。大体の事は分かった。それで、生護くんはこの世界に来たばかりでミザレストの事は何も分からない、だから少しでも情報がほしいと。」
「はい…どんな些細な事でもいいんです。教えてくれませんか?」
「そうだな…まずは簡単な所から話そうか。…ミザレストには2つの強大な勢力が存在する。ここアルシア大陸を統治するエスブレイルのフルブライト国王直属のルミネス騎士団。それと、ディシラ大陸を統治するティンカーのレジスだ。」
「この他に、近ごろ着々と勢力を伸ばしているシャドウという邪教団がいる。こいつらは何やら不穏な動きを見せていると噂だ。気を付けろよ。」
「アルシアのルミネス騎士団、ディシラのレジス、邪教団のシャドウですね。分かりました。」
「それと、ミザレストの人間は能力という力を持っているんだが、生護くんはどんな力を?」
「能力…?なんですかそれは?」
「これも知らないのか。よし!よく見ていろ!能力とはこういうものだ!」フンッ
その直後コンの身体がムキムキと大きくなっていく
「俺の能力は腕力強化。常人離れしたパワーを生み出すことのできる自己強化型の能力だ。」
そういうとコンは木の実がギッシリ入った大樽を片手で軽々と持ち上げて見せた。
唖然としてその様子を見る生護。
「お父さん!生護さんビックリしてるでしょ!もう!あ、ちなみに私の能力は分配。分かりやすく説明すると、対象Aに起きた事象を対象Bに分け与える事が出来るんです。例えば…この辛い木の実を食べて、う…」ゲホゲホッ
「そして…うぅ…生護さんを対象にシェアの力を使うと…」
不思議な光がミコトの手から放たれ僕を包む すると…
「ん…?……辛ーーーー!」
生護の口の中に強烈な辛さが広がる。
「ヒィ~…これがシェアの能力…スゴいね…」ゴホゴホ
「はい…ミザレストの人達はみんなこういう力を…コホッ持ってるんです…」ハァ~ パタパタ
「すみません生護さん。お水どうぞ。」
僕は差し出された水を一気に飲み干し一息ついた。