♯2 ティリア村
「ところで、あんなところで何してたの?」生護は問いかける。
「近ごろ動物達が凶暴になってモンスター化してるんですよ。ですから、薬草取りのついでに村に魔物が入ってこないように村の近くの見回りをしてたんです。」
「えぇ!?女の子なのにそんな危険な事を!?もし襲われたらどうするの!?」
「ふふ、心配いりません。こう見えても私、多少は剣の心得がありますから。」シュインッ
そう言いながら腰の剣を抜いて見せた。
「うわぁ!え、これ本物?」ツンツン
「ちょ、何してるんですか!?危ないですよ!」
「いや、初めて見るものだからつい…」
「ふふっ生護さんって不思議な人ですね。」
「あ、着きましたよ!あそこがティリア村です!」ミコトが指をさした先に目をやると村が見えた。
彼女の案内の元、ようやく一息つける場所にたどり着いた。
「とりあえず、休憩できる場所は…」
そう呟いて辺りを見渡す生護に、「あ、よろしければうちに来ませんか?ミザレストに来たばかりって事は、この世界の事まだよく分からないですよね?知ってる事はなんでも教えますから!」と提案するミコト
生護は驚いたが、彼女の好意に甘えることにした。
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「ここが私の家です!お父さーん、ただいまー!」
「おーおかえりミコト。ん、そちらの方は?」
「あ、この方は生護さん。疲れた様子で村の外の樹の幹に寄りかかっていたからここに案内したの。」
「生護です。お世話になります。」
「俺はミコトの父親でコンってんだ。よろしく。まあこっち来て座れ。」
ちょっと怖そうだなと思いつつ緊張した様子でテーブルにつく。そして、ここに至る迄の成り行きを説明する。