プロローグ
なんのへんてつも無い何気ない日常…そんな日常を過ごす一人の少年…彼の名は茉陽 生護。
平凡な少年だが、正義感が強く、人を助けるためなら自分が傷付く事もいとわない少年。
「はぁ~…退屈だな…もっとこう、刺激のある日常がほしいな…」
そんな事を考えながら歩いていると、なにやら悲鳴が聞こえた。 ーーーー!
(なんだ、今の!?向こうの方からだ!行ってみよう!)
生護は全力で悲鳴が聞こえた方に走った。人通りの少ない路地に差し掛かり周りを見渡すと女性が暴漢に襲われていた。
「んー!んー!」「暴れんじゃねぇよ!」
[暴漢が女性に馬乗りになっている…!]
「なにやってるんだお前…!」
そう叫びながら殴りかかる生護。 吹っ飛ぶ暴漢。
「ハァ…ハァ…大丈夫ですか!?早く逃げて下さい!」
「あ…ありがとうございます!」タッタッタッ
(どうやら大した怪我はないようだ)。と、女性の逃げる姿を確認して安堵した次の瞬間、背中に激痛が走る。
「なん…だ?」背中に手をやると何かが刺さっている…
「嘘…だろ?」どうやら刃物で刺されたらしい…倒れ込み薄れゆく意識の中、暴漢が走り去るのが見えた。
「はは…俺…死ぬのか…?マジかよ…」死を覚悟した瞬間、眩い光が生護を包み込む。
(なんだ…?暖かい…優しい感じがする…)穏やかな気持ちになりながら生護はそのまま意識を失った。
しばらくし、生護は目を覚ます。
「俺、生きてる?…あれ?痛みを感じない…」そう思い背中に手をやると刺さっていた刃物がなくなっていた。血も止まっている。不思議に思いながら周りを見渡すと、そこには見たこともない生物や植物、そして広大な世界が広がっていたーー