ツンデレ貧乳は鉄板だし幼なじみ巨乳は王道
ツンデレ娘だします。
まだ、あまりツンツンしてないしデレません。
試験官が場外へ飛んでいった事を確認しかけていた金縛りを解く。
「完全に延びちゃってるじゃんね。」
金縛りを解いた瞬間に泡を吹き出し気絶する試験官を見ながらそう呟く。
「し、試験官の場外により受験生マルヴィンの勝利です!」
審判は動揺を隠しきれない表情で俺の勝利を宣言する。
それを聞いた俺は、まだ痛む体を引きずりながら校庭を後にした。
校庭を抜けた先にはエルザが待っていた。
「おーい、アルフくーん!
おつかれー!」
遠くから大きな声でこちらを呼ぶエルザ。
気付いて貰おうと必死に跳び跳ねており、おっぱいがばいんばいんしている。
脳裏に刻み付けるようにばいんばいんを凝視しながらゆっくり近づく。
「おつかれ、エルザ。
そっちも終わったのか?」
「うん!あと一時間もしたら合格発表だって!」
俺たちもそうだが、遠方からの受験者が多いため即日審査回答らしい。
ありがたい話だ。
「そっちの試験はどうだった?
手応えはあったか?」
「うーん…座学は問題なかったけど実技は自信ないなぁ…」
少しうつむきながら答えるエルザ。
「なんとか試験官に勝てたけど、魔法技術が甘いって言われちゃった…」
なるほど、俺とは反対に体技でゴリ押ししたのか。
武器とか用意してなかったしゴリゴリの体術で勝ったのか…
相変わらずふわふわしてるくせに中身ゴリラだな。
「なんか失礼な事考えてるでしょ!?」
いつものように生産性のない会話を続けていると、何かが気にさわったのかピリピリした雰囲気を纏いながら近づいてくる女性がいた。
「ちょっとアンタ達!イチャイチャするなら他所でやってくれるかしら!」
いかにも令嬢ですといった見た目の女性が突っかかってきた。
異様に棘のある話し方をしているが大方、試験の結果が芳しくなかったのだろう。
「ご、ごめんなさい!うるさかったですよね!」
突然のことに驚きながら律儀に頭を下げるエルザ。
俺もあわせて頭を下げようとしたが、話しかけてきた彼女のおっぱいに目が行ってしまった。
余りにも起伏がない。
瞬間、なぜこの女性がここまで不機嫌なのか悟った。
なるほど、エルザのおっぱいが気に入らなかったのだ。
どこの世界でも巨乳と貧乳は相容れないということか。
「アルフくん、またいやらしいこと考えてるでしょ」
何故こいつは俺の考えていることがわかるのか。
「少女よ、自らの絶壁を哀れむことなかれ。おっぱいに貴賤は無いのだから。」
いまだにピリピリしている少女にこの世の真理を説いた。
「こいつは何を言ってるの…?」
少女は不快さを隠さずにエルザに話しかける。
「ごめんなさい…アルフくん、たまにバカになるの…」
申し訳なさそうにエルザが答えると同時に鐘がなる。
合格発表の準備が出来た合図だ。
鐘の音を聞き周りにいた受験生達が一斉に校庭へと向かう。
俺とエルザ、そしてピリピリからツンツンへと雰囲気を変えた少女も校庭へと向かう。
校庭にあった闘技フィールドは既に撤去されており、代わりにあったのは合格者の名前が書かれた掲示板。
推薦組と一般組で別れているらしい。
一旦エルザと別れることに。
少女も推薦組のようで一人で一般組の掲示板を確認することになった。
が、俺の名前がない…
嘘だろ、座学は問題なかったし実技だって…
苦戦したとは言え一応勝利したぞ…
自分の名前を探しているうちに推薦組と一般組の間に新たに掲示板が運ばれてきた。
「推薦、一般共通の成績優秀者上位10名はこちらに貼り出した!」
係員は野太い声でそう言い放つ。
俺はその言葉を聞き一縷の望みにかけ確認しに行く。
「あ、あったー!!!」
思わず大声を上げてしまった。
再度、落ち着き確認し直す。
7位 アルフレッド・マルヴィン
間違いなく自分の名前だ。
生きた心地がしなかった。
「何大声上げてるのよ。」
「大丈夫、アルフくん?」
呆れた声で話しかけてくる少女とエルザ。
「いや、合格してて安心したというか。」
「珍しく焦ってたんだねぇ」
意外そうな顔をしながらそう言うエルザ。
「お前らはどうだったんだ?」
雰囲気からして落ちてはいないだろうと思ったが一応聞いてみる。
「なんとか合格してたみたいだよぉ」
いつものふわふわした口調で答えるエルザ。
心なしか肩の荷が降りたような雰囲気を感じる。
「ワタシは余裕の合格よ!
まあ、このワタシが落ちるなんてあり得ないけどね!」
無い胸を張り上げ答える少女。
どこからその自信は沸いてくるのか。
「随分と自信満々なんだな。
さぞかし良い成績だったんだな。」
それを聞きより一層気を良くした少女が成績優秀者の掲示板の一番上を指差す。
そこには
1位 カミラ・エル・ヘルツベルク
とあった。
「うん?」
俺とエルザはいまいち要領を得ず首をかしげる。
「わかりなさいよ!確かに名乗ってなかったけど!」
そう言った所でようやく理解した。
少女の名前がカミラであることと、彼女が首席だということが。
「カミラちゃんって言うんだね!
私はエルザ!よろしくね!」
「ええ、よろしく…
じゃなくて!ワタシは首席合格!一番凄いってこと!」
エルザのずれた発言に対し自慢を入れ込むカミラ。
しかし、首席の癖に語彙力の低さよ。
「え!そうなの!すごーい!」
ワンテンポ遅れ驚くエルザ。
カミラの語彙力の無さも相まって、端から見たら煽っているようにしか見えない。
「くっ
まあ、いいわ!迎えが来るからワタシはもう行くわ。
入学してからもよろしくしてあげるけど、ワタシが首席だって言うことを意識して接しなさいよ!」
そう言い残し去っていくカミラ。
「なんか凄い子だったね!」
のんきにそんな事を言うエルザ。
「ああ、凄い絶壁だったな。」
学校では出来れば関わらない方向で行きたいと思いながら返事をする。
間違いなく厄介事に巻き込まれることになる。
あの手合いは一見優秀だが中身ポンコツだって相場が決まっている。
そんな事を考えながら、エルザと共に故郷への帰路についた。
主人公の減点理由は体技と座学です。
田舎者が家庭教師に教わった位で満点は取れません。