表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4


 君は僕の夢の中の登場人物でしかない。

 僕が作り出した妄想でしかない。


 手紙も偽物で、香りだとかも思い込みで、何もかもが僕の手の込んだ自作自演なのだとしたら。


 それはいっそ楽だとも言えるし、また辛いことでもあった。

 夢なら夢で、現実にまで痕跡を残していかなければ良いものを。


 君の夢の中にも僕は出て来ているのだろうか。

 お互いにお互いの夢の中の登場人物になれているのなら、それは幸せで、夢の中でだけ繋がり合える切なく最高の夢物語なのであった。

 愛おしくて、夢から醒めたくなくて、けれど醒めてしまうから美しく思う気持ちもあった。


 夢幻の如くなり。

 あぁ、そうではなくて、夢幻そのものなのに違いない。



 夢の中の恋なのだから、それが現実へとやって来ることはない。

 実際に会ったのは現実でのことだっととしても、今や夢の中でしか会えない仲なのだから、現実で結ばれることはありえないことだ。


 しかし、恋占いというのには、少しばかり期待をしてしまう。

「結ばれることはないでしょう」

 はっきりと結果が出てしまって、驚くほどに大きく不可を示していて、やり直したいがやり直すわけにもいかない。


 これが神様の下したご決断なのだから、真実であるのだ。

 結ばれることなど、ないのだ!

 あまりに辛かったものだから、強く言ってやはりまたも辛くなる。


 結ばれることなどないでしょう。

 わかりきった答えを受け取っただけなのだから、それ以外に何があるわけでもなく、何が悲しいでもない。


 何が悲しいわけでもなくても、哀しみの涙が溢れるのだから、人の体というのは不思議な仕組みになっているものだ。

 そんなものの理由など考えたこともなかったけれど、物事を考えるということを、そもそも今まではして来なかったけれど、今ばかりは頭にいろいろなものが浮かんで来た。


 はたけをたがやすだけのぼくではなくなっていたのだろうか。

 あたまがへんになるみたいだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ